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3) コミュニケーション・スキル

看護計画に当たり前のようにコミュニケーションをとると入れている。しかし「コミュニケーションとは何ですか」と質問され、私は看護婦としての自分の意志を伝えることと思い、本当の意味を理解していないまま使用していた。今までコミュニケーションはとれていると自己満足にしかなっていないため、患者のニードが何なのか考えず、話を聞けば不安が軽減すると思い込んでいた。講義で1]コミュニケーションとは他の人とお互いの感情や考え、態度や行動を伝達しあい相互に理解すること、2]コミュニケーションはあくまでも手段である。技術が必要である、3]人に接するときの態度は6タイプあり、そのうち支持的態度・理解的態度が重要であることを学んだ。しかし実習では、学んだことを実践しなければという思いや、情報収集不足で患者の質問に答えることができなかったりと、意識しすぎて日常会話でさえできなかった。学んだことを実践に結び付けることは難しいと感じたが、少しずつできることから行っていく。

 

4) チームアプローチ

自分たちの医療チームの現状を振り返ると、頭では患者中心と理解していても実際は看護婦のみのチームであり、看護婦が薬剤、精神面、栄養など全て行わなければならないと思っていた。そのためチームアプローチという言葉にピンとこなかった。しかしチームアプローチの体験学習を行ったことで、目標に向かって全員がそれぞれの能力とやる気をだし、達成できたことで他の専門職の協力がどれだけ大きな力になるのか理解できた。また、チームでの目標設定がとても重要であると感じた。チームアプローチが大切であると理解し、実習で実際のチームアプローチを学ぶことができた。ただ電話連絡し相談すると思っていたが、カンファレンスに参加したり直接患者と接していた。チームアプローチを行うことで看護婦一人で抱え込んでいた問題も適切な知識で患者に提供でき、1+1は3にでも4にでもなることが理解できた。専門職の協力が得られるなか、看護婦としての専門性・役割をしっかりもたなければならない。

 

症状マネジメントについて

 

症状マネジメントは看護婦、医師が行わなければならない、正確なアセスメントができればよいと思っていたため、症状マネジメントは患者が主体となって取り組む、また、それに対し概念モデルがあることは驚きであった。よく患者から疼痛を訴えられ、ただ症状を観察するだけですぐ医師へ返し、薬剤を使用する。その後疼痛コントロールができなければ薬剤の量が足りない、医師が増量してくれない、精神的な痛みであるなど、コントロール不良のまま患者に我慢させていた。そこで看護婦はいったい何を看護したのだろうと疑問をもつようになった。患者の主観を大切にすること、疼痛以外に呼吸困難、倦怠感など多くの症状や心理的・社会的な問題をもっていることなど把握し、どのような視点で症状をコントロールしていくのかが重要であると学べた。また、症状マネジメントの概念は、徹底した患者中心の考え方、メカニズムの理解、セルフケアの理論である。モデルは1]症状の体験(どのように症状を認知するか、症状をどのように評価しているか、症状に対してどのように反応しているか)、2]症状マネジメントの方略(患者の持つ方略、家族が持つ方略、医療提供者が持つ方略、ヘルスケアシステムが持つ方略)、3]症状の結果(QOL、機能的状態、セルフケア能力などの変化を見る)であり、モデルに沿って看護活動を示したものが次のようなことである。症状の定義を理解する、症状の機序と現れ方を理解する、患者の「症状の体験」を理解する、患者と一緒に「症状の方略」を進める、「症状の結果」として患者にとっての症状緩和の効果を評価する。このようなことを学び、今まですべて医療者中心に活動していたと反省した。

 

 

 

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