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また、チームアプローチをしていく際にカンファレンスは必要不可欠だと考えます。そのカンファレンスの中での役割認識も必要であり、リーダーがリーダーシップを取るから成り立つカンファレンスではなく、メンバーがきちんとメンバーの役割が果たせ、メンバーシップを取っていければ活気あるカンファレンスができると思います。今の私の病棟がどういう状態なのかを考えると、メンバー全員が自由に発言することはなく、意見を求めるから話すという状態です。私自身がリーダーの時は努めて、「一人一言は発言しましょう」と決めてから行うのですが、これではメンバーシップは果たせていません。実習に行った坪井病院では、自由にだれもが自分の思ったことを発言していました。これらの違いからみても私の病棟のチームはまだまだだと思いました。

チームの関係がチームアプローチにも大きく関係しています。私の病棟ではまず小さな範囲でのチームのコミュニケーションを良くする努力が必要だと感じました。看護婦同士が一つの事柄に対してお互いの意見を言い合え、時には意見を戦わせられるような関係性になれると良いと考えています。

 

3) 家族看護について

家族看護について学んだ中で感じたことは、まず、家族の捉え方が違っていることに気付きました。家族とは患者を含めた家族のこと(一単位としての家族)を言い、患者にとっての家族とは、お互いに家族であると認識し合っている人、法律上認められていない関係の人であってもお互いにかけがえのない人だと思っている人のことをいう、と教えていただきました。今まで私が考えていた家族は、血縁関係にある人を考えていました。大抵は血縁関係にある人を家族として考えて良いと思うのですが、複雑な家庭環境にある人の場合は、お互いに家族だと認識している人は誰なのか、または患者さんが一方的に家族と思っているのかを、きちんと認識する必要があると感じました。そして、どんな関係の家族であっても看護婦はそのありのままの家族を受け止め、看護婦の尺度で決め付けないようにしなくてはならないと思いました。

また、家族にも発達段階があり、その時期の発達課題を達成しながら成長するものであることを知りました。そして、その発達課題を達成したいと思う欲求もあり、その逆にその段階を越えるのに大変苦労する時期もあることを知りました。

これらのことを考えると、家族の看護は患者の看護同様に大切だということが今さらながら痛感しました。今までの私は、家族と患者とを分けて考え、別々に看護していました。家族と患者の間に入り、物事を調節していくことが看護婦の役割であると考えていたからです。しかし、家族と患者は互いに影響されながら存在するもので、分けて考えては適切な看護はできないことに気付きました。今までのような家族と患者を分けた関わりでは十分な看護はできません。そして看護婦が患者と家族の間に入らなくとも、患者にも家族にもストレスに対する適応能力があり、そのストレスに対処していく力があるのです。その力を十分に発揮し問題解決していけるように、その過程をサポートするのが看護婦の大きな役割であることも認識できました。患者に対してきちんとした看護を提供しながら、一人一人の家族も支えていくことが大切であることを学びました。

家族看護学は、私にとって新しい学びをたくさん与えてくれました。これから、この学びを実際の場面でどのように活用していけるかが今後の課題です。

 

4) 症状マネジメントについて

『症状をマネジメントする』とよく聞きますが、実際にどういうことなのかを私は知りませんでした。日々の看護のなかでは、今の患者さんの症状はどのような原因から起こっているのか、また、その症状に対してどのようなケアが必要なのかを考え、そして、その考えた内容を看護計画として残し、実施しています。その方法とどこが違うのだろうかと考えながら講義を聞いていました。

 

 

 

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