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地域に根ざしたホスピス

 

できることなら、住み慣れた家での安らかな最後をほとんどの人は望んでいるのではないだろうか。しかし様々な事情でそれが実現できず、不本意ながら病院での死を迎える場合が少なくない現状である。緩和ケア病棟ができたとしても、限られたベッド数の中でできるだけ活用していくには、在宅ホスピスを抜きにしては考えられないと思う。聖隷ホスピスでは院内に訪問看護部があり、緩和ケア病棟の医師が往診するという理想的な形であった。在宅でもケアが受けられるという保証があれば安心して家に帰ることも可能と思う。訪問看護や往診が院内からは無理という場合でも、地域の訪問看護ステーションや開業医と連携することによって実現できないことではないと考える。

 

おわりに

 

死を迎える患者の気持ちはその人でなければわからないけれども、黙って側にいて何でも受け入れようとする気持ちがあれば、なにか共通の信頼感のようなものが生まれてくるのではないだろうか。ナースたちは患者さんとの出会いをとても大切に日々のケアに心を砕いている。毎日がとても大きなストレスだろうが、患者と心が通い合ったときの喜びは、日頃の疲れも吹き飛ばすものではないだろうかと思う。これから緩和ケアをめざすにあたり、とても大きな指針をいただくことができた。

 

謝辞

 

未熟な私たちの実習を常に温かく見守り、助言して下さった杉山婦長さんをはじめスタッフの方々、千原先生、諸先生方に心から感謝申し上げます。

 

 

 

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