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b) 幹線移動を公共交通機関へ転移させるための周遊移動手段の整備

四国・淡路島への観光の場合、どうしても甲的地域内での周遊移動をすることが必要であり、その観点から、居住地から目的地までの幹線移動においても高速バスや旅客船・フェリーよりも自家用車の利用が優先されているものと考えられる。

今後、観光における公共交通機関の利用を増進していくためには、四国・淡路における周遊移動手段を整備していくことが望まれる。具体的な方策例としては、例えば既に高速バス利用者に対するレンタカー利用割引等が実施されているが、さらに周遊バスや低価格レンタカー、エコ・レンタカーなどを官民協力の下、整備していくことがもとめられる。

c) 旅客船・フェリーの観光利用者の増加方策

明石海峡大橋の開通に伴い、旅客船・フェリーの利用は大きく減少した。一方で、旅客船・フェリーに乗ってライトアップされた大橋を見る観光が好評であるなどの声もある。

今後、旅客船・フェリーの旅客面の利用者を増加させるためには、明石海峡大橋を利用した観光商品の開発等により、観光客を取り込んでいくことが重要である。さらに、旅客船・フェリーの乗り場周辺におけるパブリックアクセスの充実や、港を起点とした周遊移動手段の整備等の施策を実施していく必要がある。

2] 地域の観光機能の魅力の向上

各地における観光入込客数の増加等を図っていくためには、独自性のある観光地づくりやイメージ形成、誘客プロモーションを行うことなどが重要である。

a) 飲食施設、地元交通機関の充実

淡路島に度々訪れる来訪者の中から、島内の飲食施設や地元交通機関の充実に対する要望が、高速バス、旅客船・フェリー利用者に多かった。旅行先における飲食施設や移動手段の確保は、観光地の利便性やイメージに大きく関わるものである。特に飲食施設については、明石海峡大橋の開通前より淡路島観光者が強く要望している事項であり、今後、淡路島がより良い観光地としての地位を確立するために、飲食施設等の充実など、来訪者のニーズにあった施設の充実を図っていくことがもとめられる。

b) 観光PRの充実

明石海峡大橋の開通に合わせて、各旅行代理店により様々な方面への商品が企画された中で、特に淡路島の商品の人気が高かった。これは、明石海峡大橋の開通に合わせて、淡路島内において観光施設のリニューアルやPR等の効果もあったと考えられる。今後は、徳島をはじめとする四国全県にわたるイベントの実施や有効な観光PR(例:四国から京阪神間のバス車体を使った広告宣伝の拡大・対象バスの増加、京阪神消費地における情報発信の強化、大橋利用者に対する割引商品の開発とPR、京阪神の観光商品との連携、等)を行っていくなどの施策を実施していく必要がある。

 

 

 

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