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アンケートによれば、京阪神→四国ODでは、高速バス及び淡路SAともに他のODと比べて知人親戚訪問・帰省利用が多い。また、逆の四国→京阪神ODについても比較的知人親戚訪問・帰省の利用が多い。

また、高速バスは、本州の近畿以外の地域から四国へのビジネスを目的としても利用されている。

アンケートによれば、四国―その他本州(近畿、四国以外)間では、ビジネス利用の割合が高く、高速バスは、全国から四国へ(あるいはその逆)ビジネスで訪問する場合の一つの交通機関として認知されていると考えられる。

○明石市や神戸市等における交通行動への影響

明石市や神戸市等の在住者は、高速バスを通勤利用に利用している点に特色が見られる。アンケートにより、明石市や神戸市等の在住者の高速バスの利用目的をみると、2割を超える利用者が通勤となっている。また、明石市等の居住者については、通学利用も1割強いる。

d) パーク&バスライドの開始

バス利用をより便利にするために、淡路島内の高速道路沿いにバス停を設置するとともに、近くに地元自治体が無料駐車場を整備することなどにより、官民共同の取り組みとしてパーク&バスライドが進められている。同様の計画が、徳島自動車道沿いでも進められている。

2] 交通・生活分野の今後の見通し

明石海峡大橋の開通により、大橋を経由する高速バスネットワークの整備や物流面におけるトラック利用の大橋利用への転移等により、本州―淡路島・四国間の旅客船・フェリーの利用者は大きく減少した。各事業者による様々な企業努力にも関わらず、航路の縮小、廃止は依然として続いている。

一方、高速バスの路線について、明石海峡大橋の開通当初は、阪神―淡路島・徳島間を中心に開設されたが、その後、京都―徳島間、大阪―高松間などの路線が開通、するのみならず、平成12年3月には、徳島―関空、阿波池田―大阪等の路線も運行が開始された。今後、四国における高速道路が充実されるにつれて、さらに各方面の地域間移動の需要が喚起され、利用者が拡大するとともに、明石海峡大橋を経由する高速バスネットワークがさらに充実していくという好循環が期待される。

このようなバスネットワークの一層の充実に伴い、以下に述べるような高速バス利用が増加する可能性が高いものと考えられる。

a) 阪神―淡路島間高速バス

瀬戸大橋の場合には、開通後、時間の経過とともに、主に鉄道を利用した岡山県―香川県間の通勤・通学が増加したという統計結果があった

今回のアンケートによれば、明石海峡大橋においては、淡路島・高速舞子間の高速バス定期券利用者が多いなどの傾向がみられた。明石海峡大橋においては鉄道の利用がない点で瀬戸大橋の場合と異なるが、今後は、高速バスの利便性の一層の向上に伴い、特に阪神―淡路島間が通勤・通学圏であるという認識が地域住民の間に定着し、通勤・通学を目的とした高速バスの利用率が拡大する可能性があるものと考えられる。

 

 

 

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