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(2) 明石海峡大橋開通による交通・生活分野への影響と今後の見通し

II章、III章のデータによりながら、明石海峡大橋開通による交通・生活分野への影響をまとめるとともに、そこから読みとれる趨勢的な今後の見通しについて整理を行う。

1] 交通・生活分野への影響

a) 明石海峡横断の主要交通機関の変化

明石海峡大橋の開通前は、旅客船・フェリーが主要な海峡横断交通機関であったが、大橋開通後は、高速バス、自家用車等が主要な交通機関となった。

アンケートによれば、高速バス利用者の7割、淡路SA(自家用車、観光バス)利用者の6割弱が、明石海峡大橋開通以前は、旅客船・フェリー利用していたと回答している。

b) 淡路島・京阪神間の近接性の変化

明石海峡大橋の開通により、京阪神からの日帰り可能な圏域(2時間圏)に淡路島が含まれるようになった。

アンケートにより、淡路←→京阪神ODにおける旅行日程をみると、高速バス、旅客船・フェリー利用、淡路SA利用とも、日帰り利用が多くなっている。

c) 高速バス路線の整備による生活面における交通利用の変化

○高速バスによる新たな交通需要の創出

利便性の高い、高速バス路線が開設されたことにより、高速バスを利用した明石海峡横断という新たな地域間交通の需要が様々な目的において創出されている。

高速バス利用者へのアンケート結果によれば、明石海峡の往来頻度は、開通前と比べて増加している。特に、明石市や神戸市、淡路島在住者の往来頻度の増加が大きくなっている。

○淡路島における交通行動への影響

淡路島住民にとって、明石市、神戸市等への買い物、通勤等の交通機関として、高速バスを利用することが定着した。

アンケートにより、淡路島住民の高速バスの利用目的を見ると、明石市や神戸市等への買い物、通勤等の利用が多く、特に、淡路島から高速舞子までの定期利用者が多くなっている。

なお、全体として利用数が減少した旅客船・フェリーについても、アンケートによれば、淡路島住民の日常生活交通機関として、一定の利用がされている。

〇四国における交通行動への影響

四国―京阪神間の移動は、知人親戚訪問・帰省利用を目的とする割合が高いことが特色である。

 

 

 

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