私はこの映画を見たときからすっかりこの歌の虜(とりこ)になってしまった。
私は、玉之浦に五年いて広島に転勤した。その後職種も灯台部門から警備救難部門にかわったが、この歌は、定年までの四十一年間、私を励まし慰めてくれた無二の親友であった。
特に私は、単身赴任が二十二年にも及んだので、なおさらその感が強いのかもしれない。
定年退職した今、一人でこの歌を口ずさみながら、今も、厳しい海で働いている人達に思いを巡らせている。
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新刊紹介
幕末維新の海
渡辺 加藤一 著
幕末維新のころ、日本は西洋文明を取り入れて近代化を急速に進めていった。そのきっかけは、二〇〇年余り続いた鎖国政策が、たった四隻のペリー艦隊の偉容の前にあっけなく破れたことにある。日本近海は、西洋の脅威にさらされるようになったため、海事関連事業の近代化は緊急課題となった。
本書は、開国前後に日本近海で起きた出来事や、海にかかわる人物にスポットを当て、日本の近代化を海から見つめたものである。
内容は、開国を迫ったロシアとアメリカが日本に接近していくいきさつから始まり、お台場・海堡の歴史、使節団・留学生の派遣、蒸気船の建造、国内で起きた海戦などを史実に忠実に記している。その他、海軍・商船士官の養成、ジョン万次郎に代表される漂流者、捕鯨、灯台、海上交通法規なども盛り込まれ、当時の海事情勢を一通り網羅している。また、本書に登場する人物は四〇〇人近くにのぼる。多くの偉人たちがさまざまな形で海にかかわっていたことを物語っている。
幕末維新ものの本は数多くあるが、海をテーマにした切り口は新鮮である。海国日本のルーツを知る図書として、海事関係者・歴史研究者はもちろんのこと、学生・一般の読者も注目すべき一冊である。
A5判二四〇ぺージ
定価二、七三〇円(税込み)
送料三九〇円
(株)成山堂書店
〒一六〇−〇〇一二
東京都新宿区南元町四−五一
成山堂ビル
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