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IV MDPC法の確立の経緯

 

自己かく拌型油分散剤の開発とともに、その性能を評価する試験法も併行して調査研究に着手した。性能を評価する因子は十数項目に上がり、各項目に調査、検討し、実験研究を重ねて確立した。

この確立の経緯を再録し、今後さらに本試験法を改良する際の資料として纏めた。

 

1 かく拌法

かく拌に関しては、かく拌法及びかく拌時間等が異なり、与えるエネルギーの差が大きい。

かく拌エネルギーの大小が分散化性能の値に大きく左右するという従来の考え方に対してFingas等は4種の試験法(渦巻きフラスコ、流水カラム、ラボファイナ、マッケイの4種の装置)から自然分散(海水と油のみで分散させ、その油分濃度を調査)を求めて分散試験の性能値から差し引いた。

その結果、かく拌力は今まで考えられていたほど重要ではなく、各試験法の相関性が得られたとあるが、本調査研究の結果では、かく拌力あるいは試験油によっては、自然分散の値にバラツキもあり、必ずしも各試験法の分散性能が一致する傾向にはなり得ないことが分った。

本調査研究では、3種類の容器(容積270、500及び1,110mlを用いて波傾斜(風力階級3以下程度)、波面の挙動を中心に調査した。この結果によると容器が大きくなるほど、周期が長くなり波面の挙動及び波傾斜が緩やかで、かつ、往復運動中の波動が一定で自己かく拌のエネルギーとして次の運動量を得た。

・ 横揺れ振とう回数 35往復/分

・ 振幅 40mm

 

2 油と油分散剤の比

油分散剤の量が多ければ当然分散率が高くなるが、表?-1に示すとおり各試験法によって油と油分散剤の比は異なっている。このことは、1のかく拌エネルギーとの関係によって、油と油分散剤の比を定めたものと思われる。今後、これらについて文献等により調査及び油分散剤の性能面(散布量)からの検討が必要である。

自己かく拌型油分散剤の散布量は極力少量で効果があることが要求されることから海外の分散剤の散布量を参考として決定した。

・ 油:油分散剤比 4%

 

 

 

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