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・ 漏油速度試験

- 最初の漏油速度は重質油の場合1.0〜1.5ノットの範囲であった。

- 軽質油の最初の漏油速度は1.1ノットであり、これに比べ同じ量の重質油を事前に使用した場合は1.4ノットであった。

- 最初の総漏油速度は1.3〜1.8ノットの範囲であった。

- 事前の油量を増やすと、総漏油速度は減少する。

- 重質油は漏油速度を増大させた。

- 頂点部でスキマーを共用しても性能には影響しない。

この時の掃海は波によく追随した。(これらオイルフェンスには空気圧膨張フロートが付いていて、24〜44:1の重量比の浮力を持っている。)

NOFI 600Sのオイルフェンスは、掃海幅14m(46フィート)で曳航され、この時軽い油に使用されるフェザーネットを使用したり、しなかったりしている。

テストの結果は次のとおり;

・ 最初の漏油速度は1.0〜1.3ノットの範囲であった。

・ 最初の総漏油速度は1.2〜1.6ノットの範囲であった。

・ 底部ネットは静水中ではほとんど影響しなかったが、波浪中では漏油速度を増大した。

この報告書の結論は、NOFI600Sオイルフェンスは、1ノット以上の速度で集油が可能で、他のオイルフェンスに比べると著しい改善となった。

(3) MSRCの海上試験

一連の油包囲閉じ込め用のオイルフェンスを海上で試験した。これはMarine Spill Response Corporation(MSRC)、米国沿岸警備隊(USCG)、米国海軍(USN)、及びMinerals Management Service(MMS)の共同研究で、94年4月下旬にニューヨーク港南湾とSandy Hook New Jerseyの東の大西洋上で行われた。これらのテストは、海上におけるオイルフェンスの性能のデータ、例えばオイルフェンスの物理的性質に及ぼす影響、水力学的強度、環境条件などが確認できるように計画された。

試験目的は、このデータを用いて、オイルフェンスが水没、滑走、飛沫飛び出し、同伴、ドレン、構造破損を何時発生するかを予測できるようにするためで、次の4基のオイルフェンスを試験した:

1) Navy 3M(American Marine)耐火オイルフェンス

耐高温機器とセラミック製の浮きを使用して、燃焼中の油の包囲閉じ込めを可能にしている。このモデルの乾舷の高さは、37cmで、喫水は70cm、予備浮力/自重比は5:1である。(オイルフェンスの全高は107cmである。)この火災包囲閉じ込めオイルフェンスはUSNUSS-42のオイルフェンスの後端に接続されて曳航した。

2) Norlense(Trelleborg)防壁オイルフェンス1370-R

オイルフェンスはリールから引き出されるにつれて空気が充填される。この過程は、端部浮き室が手動操作で空気を充填すること以外は連続して自動的に行われる。

オイルフェンスの形状は、オイルフェンスが展張されるにつれて空気を充填する別の柔軟リングにより保持される。浮き室は同室の下の二重のスカート間の低圧ホースから空気が注入され、この時点で海上に開かれている柔軟リングは高圧ホースで空気が注入される。

 

 

 

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