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2) 分散剤の添加量

流出油に対して、通常型油処理剤(以下「通常型」という。)は20%散布、高粘度油処理剤(以下「D1128」という。)は10%散布、自己かく拌型油処理剤(以下「S-7」という。)は4%散布を基準とし検討を行うこととした。油量0.4ml〜2mlに対する油分散剤の量は、表3-3-1に示すとおり、20%散布では0.08〜0.4ml、10%散布では0.04〜0.2ml、4%散布は0.02〜0.08mlの範囲となる。

3) 計量方法

1] 計量方法の選定

添加物を0.01ml単位で計量する器具としては、マイクロピペット、マイクロシリンジなどがあるが、価格面等から上述した前提条件の使い捨てに適さないこと、高粘度油等の測定が困難なこと、油用と油分散剤用の2種類の機器が必要になることなど、計量器具として採用するのに難点の多いことが挙げられる。

添加物を0.1ml単位で計測する方法としては、スポイトなどによる計測が考えられ、使い捨てが可能となるが、約2,000cStのC重油をスポイト内に吸い込んだところC重油がスポイト内面に付着し、流動性も悪く、スポイトの目盛りによる添加物の計量は、高粘度油の場合不可能であることが分かった。

一方、スポイトによる滴下方式で、1滴当りの容量から添加物を計量できるか否かの調査を行ったところ、再現性も良好であり、滴下数をカウントすることで添加量の調整が行えることが分かった。

2] スポイトの滴下数

3種類の油分散剤、原油に対する分散性能で使用した2種類の原油、C重油及びA重油の供試体に対して、温度を2度、15度及び30度で変化させ、供試体1g当たりのスポイトからの滴下数を調査した。その結果を表3-3-2に示す。

 

表3-3-2 供試体1g当たりの滴下数

110-1.gif

(備考) 動粘度は、A重油は50度、その他は30度におけるものである。

 

 

 

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