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(2) 海水量

1) 容器と海水量の割合

海水の量は、油水比の面からは後述のとおり多量であることが望ましいが、容器の容量に近い海水を入れた場合には、十分なかく拌が困難となる。

一方、今年度のMDPC法に関する調査(試験油の調合)では、30ml用の試験管に海水25mlと試験油1mlの合計26ml(約86%)を入れて上下にかく拌することで分散効果が確認されている。

これらのことから、海水量は、容器容量に対して約80%とすることを基準として検討を行うこととした。

2) 計量線

測定容器の容量80%に海水用の計量線を設け、採取した海水をこの目盛りまで入れることとした。

 

(3) 流出油の滴下及び分散剤の添加

1) 油水比

通常、実海域であれば油水比は1:∞に近いものとなる。Fingas等の試験研究によると油水比が1:200以下では分散率が低下し、1:20で特に大きく減少するミセル現象について指摘(平成9年度本調査研究報告書(87頁)参照)されている。しかし、簡易試験法では流出油と油分散剤との相性を調査することから、油水比1:20、すなわち海水量に対して5%の油を滴下することで検討を行うこととした。

この比率による油水比の比較を表3-3-1に示す。

 

表3-3-1 油水比と散布の比較表

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