日本財団 図書館


(2) 構造による分類2)

現在、開発製造されているオイルフェンスには多くの種類があり、その構造もメーカーによって様々であるが、オイルフェンスは、その構造の違いにより次の3種類に大別される。

1) 固形式オイルフェンス(固形浮体式)

適当な大きさの発泡スチロール等、海水より密度の小さい発泡固体を、耐水性、耐油性を有する布地(ポリエステル等)で覆った浮体と、同じく耐水性、耐油性を有する布地の下部に重りを取り付けたスカートから成る構造のオイルフェンスを固形式(固形浮体式)オイルフェンスという。図1-3-1固形式オイルフェンス参照。

2) 充気式オイルフェンス(充気気室式)

耐油性、耐水性を有する布地で作られた気室に低圧の圧縮用ブロアーにより空気を充填し膨張させた浮体と、耐油性、耐水性を有する布地と同下部に重錘等を取り付けたスカートから成る構造のオイルフェンスを充気式(充気気室式)オイルフェンスという。図1-3-2充気式オイルフェンス参照。

3) 衝立式オイルフェンス

水面上下部が一体となった衝立状のものに、この衝立が沈まないように海水より密度の小さい発泡スチロールのような浮体を取り付けたオイルフェンスを衝立式オイルフェンスという。

 

027-1.gif

1]フロート 2]スカート 3]重錘(チェーン) 4]芯板 5]テンションベルト 6]アンカー取り金具 7]取手 8]接続部(重ね合わせファスナー)

図1-3-5 衝立式オイルフェンス

 

4) 浮沈式オイルフェンス(浮沈式)

この浮沈式オイルフェンスは、タンカーバース等の固定海域に設置され、タンカーの貨物油類の揚荷時及び払い出し時にタンカー周辺に浮上して万一の漏油事故に備えられた基地専用のオイルフェンスである。

この形式の長所は、固形浮体式に比べ型崩れしにくい。短所は、気体を充填するためのブロアー装置等が必要となること、気体を充填するため展張準備に時間がかかることである。また、展張オイルフェンスの中間部数カ所に空気抜き用の強制沈下重錘を装備していて、排気時間の短縮化を図っている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION