(3) 海外のオイルフェンス
海外のオイルフェンスは、流出油対応製品ワールドカタログ(WORLD CATALOG OF 0IL SPILL RESPONSE PRODUCTS)第7版、1999/20003)から抜粋した。このワールドカタログは、隔年置きに開催される0IL SPILL CONFERENCEの時に発刊されている。
カタログは、多くの人に使用されている定義、用語、慣例を明確に規定することを目的としており、最新の情報が取り入れられている。また、カタログ全体がデータベース化されており、常により正確なものに改善し、ユーザーに対する情報をより多く提供するように編集されている。
カタログは、米国、カナダ及びヨーロッパ諸国の製品が網羅されているが、我が国の製品は残念ながら登録されてはいない。
本カタログは次の8章から構成されている。
第1章 オイルフェンス
第2章 スキマー
第3章 油吸着材
第4章 ポンプ
第5章 油水分離装置
第6章 ビーチクリーナー
第7章 分散剤散布装置
第8章 仮貯蔵タンク
1) 衝立式オイルフェンス
衝立式オイルフェンスは、柔軟なフェンス材の垂直面に補強材(ステフナー)を等間隔に装着している。このことから、オイルフェンスの全高を保持するとともに水平面では自在に湾曲させたり、展張の形状を自由にとることができる。
この衝立式オイルフェンスの浮体形式は次の3つに分類される。
・ 中心線浮体形式
・ 両舷側浮体形式
・ 片舷側浮体形式
1] 中心線浮体形式のオイルフェンス(図1-3-6a)
柔軟材のフェンスに垂直のステフナーで補強し、中心線浮体を取り付けたオイルフェンスである。浮体部の水面接触面積が小さいことから浮力が若干乏しく、横揺れや上下動に難点がある。
格納は、浮体部が平らなことから容易である。
2] 両舷側浮体形式(図1-3-6b、図1-3-6c)
b1オイルフェンス(図 左側)の両舷に垂直安定装置(浮体部)が装備されており、横揺れに対して抑制するのでフェンス下部の重錘は必要としない。フェンスの材質は肉厚な織布で作られており水平面では柔軟で上下動は良好である。
格納は垂直安定装置がフェンス側に折り畳まれてコンパクトになる。
b2オイルフェンス(図 右側)の浮体部は固型式で、格納し難く広いスペースを必要とする。