(1) 国内のオイルフェンス
我が国で市販されているオイルフェンスは、A型、B型、C型及びD型で海上に流出した油を囲い込み、拡散防止及び誘導等に使用するタイプと、一定海域位置に配備して浮上、沈降する定置用浮沈式オイルフェンスの5分類に分けられる。
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行規則第33条の2によれば、オイルフェンスの規格として、オイルフェンスA、オイルフェンスBの2種類が定められている(オイルフェンスA、オイルフェンスBは、通常それぞれオイルフェンスA型、オイルフェンスB型と呼ばれている)。
規則に定められている規格は次のとおりである。
イ 寸法が表1-3-1に定めるものであること。ただし、海底に設置するオイルフェンスであって、海面に浮揚させ、又は海底に沈降させることができる構造を有するもの(以下「浮沈式オイルフェンス」という。)にあっては、接続部にかかる部分についてはこの限りではない。
ロ 単体の長さは、原則として20mであること。
ハ 接続部の型式は、重ね合わせファスナー式であること。ただし、浮沈式オイルフェンスにあってはこの限りでない。
ニ 安定して海面に浮き、排出された油をせき止めることができる構造であること。
ホ 単体の長さ方向の引張強さは、3,000kg重以上であること。
ヘ 防油壁の主材料の引張強さは、1cmにつき30kg重以上であること。
ト 使用状態において耐油性及び耐水性を有すること。
チ 材質は、通常の保管状態において変化しにくいものであること。
一方、C型、D型のオイルフェンスは、法規で定められた規格はないが、昭和50年運輸省船舶局内に設置された「海洋油濁防止装置開発委員会1)」により設定された外洋向けオイルフェンスで、それぞれ滞油性能及び耐用限界により分類、規定されており、寸法については規定されていない(表1-3-2参照)。