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3. 質疑応答

 

司会 どうもありがとうございました。ご質問等たくさんおありかと思いますので、積極的にご発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

市村 芝居とかご覧になりますか。

A 私もあまり自信を持って見てますとは、申し上げられないんですが。

私は文化政策というのをどう仕立てたらいいのかというのは、政治の側も政党の側も考えなければいけないと思っているんです。国家的戦略で、文化政策というのは打ち立てることはできない。最初になかったんです。推測ですけど、そういうことなんです。だからNPOを奨励することによって、NPOが文化政策をつくり出すことが望ましいんだろうと、そんな趣旨がまず一つはあったわけだろう。

ちなみに参考までにNPOの税制は間違いなくこれから発展はしていくはずです。つまり、先ほどおっしゃったように、例えば僕らが税金を納めるときに1割はNPOに寄付してもいいですよとか、そういう税制に変わっていくのは、私は望ましいことだし、必ずしも実現不可能だとは全然思っていないです。そこはそこで、NPOが発展して、芸術振興というか、文化政策を打ち立てられるというのがあるのでしょう。では政治の側、政党の側というのは、どういうことをしたらいいのか、つまり何もしなくてもいいのか。さっき申し上げたようにNPOの税制なんかを確立するというのは、政治の仕事です。そういうところで援助すればいいのであって、私もあまり文化庁の政策を勉強していませんで、文化庁の何がどう悪いのか、よくわからないんですが、何にどこまで口を出したらいいのかということです。だからNPOの部分はNPOの部分で応援します。それはそれでいいだろうということだと思うのですが、それ以外にどうしたらいいのかなと思います。

市村 文化庁は見直した方がいいと思うんですよ。というのは、文化庁の政策というのは、明治以降から変わっていないんだと思います。明治の初期、明治の6年から20年ぐらいの間で、芸大のもとなどをつくって、美術と音楽を芸術としました。だから今の芸大は美術と音楽しかない。その枠組みが決まったのは明治です。文化庁の政策を見ても、では音楽に何が入っているのか、ばーっと見ておわかりになりますが、オーケストラはこうあるべきだ。オペラはこうあるべきだ。おしまいです。

音楽はそれだけなのかというと、その後邦楽が入りました。じゃあ演歌、ロック、ジャズ、そういうものはどこへ行っちゃったのか。入っていない。その枠組みを決めたのは明治。その枠組みがそのまま残っているんです。

 

 

 

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