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質問箱

 

口のきけない人は公証書による遺言はできないか

回答者 清水 勇男(公証人)

 

ある身体障害者施設の施設長の方から公正証書による遺言について質問が届きました。質問の内容は多方面から関心が寄せられ法改正が論議されてきた問題です。そこで「当世高齢事情」執筆者の公証人・清水勇男さんに本誌上でご回答をお願いしました。

耳は聞こえるが、口がきけず、字も書けない人についての問題です。

 

Q 次の1から3のケースで、公証人は本人の依頼に応じて遺言公正証書を作成することができるか。

ケース1

口をきくことも、手足を動かすこともできず、わずかに舌の出し入れにより「イエス」「ノー」の意思表示が可能。(五十音表を補助的に使えば、よりスムーズに問答ができ、文章の作成も可能)

(例)

「あ行ですか」「はい」(舌を出す)

「い行ですか」「いいえ」(舌を出さない)

ケース2

口をきくことはできないが、意思伝達装置(自分の意思で動く身体の部分を使って文章をつづり、音声に直すコミュニケーションの補助具)を使用して意思表示が可能。

ケース3

意思伝達装置、ワープロ、パソコンを使って本人が遺言内容を文書に作成しておき、それを公証人が読み上げ、本人が意思伝達装置で「イエス」「ノー」の意思表示をすることが可能。

 

 

 

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