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そんな状態の中で、お正月を迎えようとしていた。娘の家でお正月三が日を過ごすことになった。楽しみで心もはずみ、体調を崩さないようにと食事も残さず食べ、朝の体操にも出た。大晦日になり、娘夫婦が迎えに来た。娘の家に着くと、2人の孫たちが玄関で出迎えてくれた。やっぱり家はいいなと思ったという。しかし、半日も過ぎると次々と大変なことが起こった。まず、慣れない者がトイレ介助を2人がかりでやり、お風呂は入れないなど、不都合がたくさんあるということに気が付き、その時、私の家は、あのホームなのだとはっきり認識したというのである。それからは、ホームで楽しめるものを見つけていこうと決めた。娘に、「お母さん、今年もお正月は家に帰ろうね。みんな楽しみにしているのよ」とうれしいことを言われたけど、「私、今年はここにいるわと言ったの」と明るい声で話すTさんの顔には、自分の状態に合った暮らし方が一番快適でいいのだという安らぎを感じた。

 

 

 

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