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特集 新しいふれあい社会を考える

二一世紀、日本の高齢者福祉に求められるもの

 

『公』の責任と『民」の参加を考える

−欧州における福祉自由化との比較から

 

東京都老人総合研究所政策科学部門  新名正弥

今年四月、いよいよ公的介護保険がスタートする。凍結論が浮上したり見直し論議のドタバタもあったが、介護保険の導入は単に一つの制度がはじまるという以上に、日本の高齢者福祉に大きな意味を持つ。与えられる福祉から選択する福祉へ。福祉自由化の道への重要な起点である。しかし、福祉は人の日常や命にかかわるものだけに、強者と弱者が生まれるような競争社会の自由化とは一線を画す必要がある。そこで二〇〇〇年の初頭を飾る今号では、福祉自由化の先陣を切ったイギリス、福祉先進国といわれる北欧フィンランドの福祉改革の例を引きながら、現地の事情に詳しい新名正弥さんに自由化への問題提起をお願いした。(編集部)

 

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フィンランドの非営利団体「フォルクヘルサン」の老人ホーム。

 

 

 

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