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企業ボランティア

 

"社会貢献活動は「職務」のひとつです。"

東京海上火災保険株式会社

 

JR東京駅を出て皇居の方へ向かうと東京海上火災保険株式会社(以下東京海上)のレンガ色のビルがそびえ立つ。太陽がぎらぎらと照りつける七月二二日(木)、同ビル一階トウキョウ・マリン・ギャラリーはビジネスマン、ビジネスウーマンたちでにぎわっていた。損害保険業界のリーディングカンパニー、東京海上は毎年夏には同社と関連会社社員が持ち寄った品物でチャリティーバザーを、冬には持ち寄った本をもとにブックフェアを開催している。

「十二時からはじめますが、その前に何十人もの人が並ぶほどの人気です。おかげさまであっという間に売り切れますよ」と社会環境室小川武一郎主査は笑う。ボランティアで参加した社員を含め三、四〇人の社員が企画から売場まですべてを受け持ち、今年で五年目になる。本は一万冊以上も集まるという。売上金は会社からのマッチングギフトと合わせて国内外の福祉関係施設に寄付している。また今回は、『さぁ、言おう』9月号でも紹介したが、脊椎損傷で車イス生活を余儀なくされながら明るくがんばっている畔上智子さん・幸四郎君親子を励まそうと、同会場内で"コーちゃんバザー"も行われ一層にぎわった。この"コーちゃんバザー"、実はある著名なご一家の善意から寄贈された品物を有意義に使わせていただこうと考えていたさわやか福祉財団が支援先を探していたところ、同社が率先して協力を申し出、会場、労力の提供を快く引き受けていただき開催にこぎつけたもの。畔上智子さんもことのほか喜んだのは言うまでもない。このように、個人(寄贈者)の善意をつなぐ役割として、各地のボランティア団体だけでなく企業ももっとかかわってもらえれば、助け合いのネットワークもさらに広がる。手近にはじめられる社会貢献活動の一例ともいえるだろう。

 

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(左から)大橋一恵さん、上田晋平さん、小川武一郎さん。

 

 

 

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