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特定非営利活動法人

コミュニティ・サポートセンター神戸理事長 中村順子さんの話

震災から4年半、仮設住宅など借りの住まいに住んでいた人のほとんどが復興住宅に移って、これからはその地でどう人生を全うしていくのか個人個人の生き方の問題になってきます。こうした中、やっと落ち着けてこれからは静かに暮らしたいという心理や高層住宅の構造的な要因から、閉じこもりがちの人が増えており、自分の人生について見通しを持たないまま閉じこもりがちになる人たちをどのようにサポートしていくかがこれからの課題です。個別にデリケートな対応が必要で、量より質、専門性が求められるようになります。行政の保健婦(士)や相談員と有機的な連携を取りながら細かい網の目を作りキャッチしていかないと、孤独死のような問題が出てくるでしょう。

しかし震災の教訓から地域の中には、新しい復興住宅には住民の間から自発的に自治会ができるようになりましたし、同じ地域に住む被害の少なかった人による手助け、地元のボランティアなどさまざまなところから、直接サポートする支援組織やたくさんの見守りのグループが生まれました。また行政側も従来の町内会方式に加え、やる気のある人を支援するコミュニティをつくっていこうとしています。これら官民双方から生まれた地域助け合いの仕組みが、反発したりばらばらに活動するのではなく連携して活動すれば大きな効果が期待できると思います。

現在コミュニティ・サポートセンター神戸は市民の立場から包括的に、場を設定したり行政やグループとの連携を進める中間支援組織として活動していますが、行政は私たちの立場を理解してくれて後方支援に徹する方針を打ち出し、ようやく歯車がかみ合ってきたという感触を得ています。今後は地域の中で責任を持って活動するリーダーが育つよう支援していきたいと思っています。(談)

(写真提供:財団法人国際観光協会、入居促進センター)

 

 

 

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