喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記
ふれあい社会づくりは働き盛りの男が人生をかけるだけの価値のある仕事だと思います
特定非営利活動法人『どりーまぁサービス』(徳島県)
「先日、高齢の親を抱える家族から、父が亡くなったので痴呆の母親を通夜から告別式の二日間、付き添って見守りをしてほしいという依頼を受けました。それで通夜の日は葬儀屋で食事介助と排泄介助をしたんですが、告別式の日になって、おばあさんが手が震えて(機能的に)できないということで、顔を合わせたこともない人の納骨を代わりにさせていただきました。こういうことって、普通はあり得ませんよね。でも、ここまで奥深くかかわれるのが助け合いの事業のすばらしさなんだと、改めて感じ入りました。昨今、介護保険制度がスタートしたら、介護の問題はすべて解決するように考えている人もいますが、現在の活動状況から見ても、保険の枠内でできることは二、三割程度しかない。だからこそ、我々のような市民互助型団体の果たすべき役割は、増えこそすれ、減ることはないと思います。もちろん介護保険も選択肢のひとつですから、我々も指定居宅サービス事業団体としての活動も視野には入れていますが、それに振り回されることなく、今後も地に足をつけて、心のふれあいを大切にした活動をしていきたいですね」
こう語るのは、徳島県で在宅福祉サービス活動を行う『どりーまぁサービス』の代表を務める山口浩志さん(三八歳)。この日、同団体にはNPO法人の認証が下りたが、彼まあくまでも冷静に福祉の現状と今後を見据えていた。