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一人暮らしの老人の家へ生徒が訪問した時の体験と感想

 

「私、前まで静岡に住んどったがやちゃ。静岡にちゃ富士山があるやろ。私、若いころ、おじいちゃんと一諸に富士山に登ったがやけど、あんたら、登ったことあるけ」

「あ、私あります。父が今静岡にいるんで遊びに行ったときに登りました」。何となく出てきた会話で、その後おばあちゃんと30分くらい話しました。帰る時、おばあちゃんは、「今日はありがとねえ。久しぶりに楽しく話せたわ」。

私は、自分自身もおばあちゃんに感謝しましたし、その時おばあちゃんも楽しかったと言って下さったので本当にうれしかったです。(原稿より一部抜粋)

 

この訪問を通して知り合ったお年寄りと生徒の間で交流がはじまります。

ボランティアは、最終的には地域へそして個人へ帰っていくものと考えます。学校はボランティアの芽吹きを育てていく場です。本校の生徒の活動も将来的には町のボランティアコーディネーターの企画された活動の中から生徒が自ら活動を選び、自主的に参加していくようなものにさせたいと考えています。継続してその町の住人として活動し、一般社会に出ても、生涯にわたってボランティアにかかわっていく「人」に育てていきたいと考えています。

本校では、現在、毎朝、自主的に進んで正面玄関を水拭きする生徒がいます。一人暮らしのお年寄りを訪問したことがきっかけとなって、文通を続けている生徒がいます。これらの芽生えを地域社会に向けて発信していき、大きく育てていくことがこれからの学校でのボランティア活動の役割ではないかと考えています。

 

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季節のイベントなども交えた自然のふれあいが好評。

 

 

 

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