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A お手紙によると、奥様とは職場での恋愛結婚だということですが、あなたの仕事のことは十分知っていたはずの奥様に、どうして「逃げられる」ようなことになってしまったのでしょうか。まず、次の問いに答えてみてください。

あなたは、1]奥様に「おはよう」「ありがとう」「お世話さま」「おやすみ」「お疲れさま」という五つの言葉を毎日かけていましたか。2]「一緒に行かないか」と奥様を外出に誘っていましたか。3]炊事、洗濯、掃除のうち一つでも手伝っていましたか。4]二人で何か共通の趣味を持っていましたか。5]奥様の話をよく聞いてあげていましたか。

あなたがこの問いに全部イエスと胸を張って答えられたら、非は奥様にあります。ただ、お手紙の中で「妻に風呂を沸かさせ」という言葉が引っかかりました。ひょっとしてあなたは「風呂、メシ、寝る」というだけで男は事足りると考えている一方通行型人間なのではありませんか。夫婦の間で一番大切なのは物心両面のコミュニケーションです。単身赴任が長かったとすれば、得意な料理もあるでしょう。心を込めて手作りの料理を作り、拒否されてもくり返し奥様のもとに届けてみてはいかがですか。*深草少将の百夜通いの故事もあります。若き日、奥様の心を射止めるために燃やした情熱を、今度は引き戻しつなぎ止めるために燃やしてください。まだ遅くはないと思いますよ。

(*)深草少将(ふかくさのしょうしょう)…小野小町を恋し、九九夜通ったという伝説の人物。

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