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6.2 安全基準と防止策

レーダー等のマイクロ波エネルギーの照射による電波障害のほか、短波無線機や携帯電話等の通常の電波機器による人体への影響についても注目されているが、電波が人体に悪い影響を与えるとの証明はされていないし、絶対に無害であるとの確証も得られていない。絶対に安全であると言い切れない現状では、「強い電波を浴びない、浴びせない。」ようにしておくことが必要である。

このことから、電波による人体障害を防止するために、各国において電磁波の照射許容量に関する安全基準が定められている。日本では平成2年に郵政大臣の諮問機関である電気通信技術審議会により答申された「電波利用における人体の防護指針」(電波防護指針)がガイドラインとして活用されてきた。

このガイドラインには電磁波による人体への熱作用や刺激作用について「電波により人体に悪影響を及ぼさない範囲を定めた電磁界強度の指針値」が示されており、周波数範囲は10kHzから300GHzを対象としていて、周波数と電界強度の指針値との関係は図6.2.1及び表6.2.1のとおりである。

 

平成11年10月からは、電波の人体への影響が考慮され、「電波防護指針」はガイドラインでなく、安全性が確認されるまでの基準として採用され、法的な強制力を持つことになった。

電波法施行規則では、「電波防護指針」による電波の基準値を満足することを確認することが義務付けられ、また、無線設備から発射される電波の強度が、定められた値を超える場合は取扱者以外の者が容易に出入できないようにすることが義務付けられている。

 

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図6.2.1 電界強度の値

 

 

 

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