八、無国籍児の養育里親となって
千葉県里親会 H.K
無国籍児の養育里親となって、なんとか国籍を取得したいと努力して外国籍を得たら、今度は不法滞在に当たるので国外に強制退去させる、という。私たちの住んでいるこの国は何という国だろうとの思いをもった。初めに国ありき、ではなくて、人の痛みの分かる国であってほしいと願いながら、経緯をご報告する。
平成5年に里親登録。同じ年の9月に行われた里親子交流会に参加すると、児童相談所の担当者から「委託したい乳児がいる」との話。タイの女性が出産した乳児であるとのことだったが、私どもにとってそうした事情は特に問題ではなかった。
翌年の夏、2度ほど乳児院に行って対面。赤ちゃんはみんなそうだが、目はひときわくりくりしていてかわいい赤ちゃんだった。1歳になる数日前の9月初旬にこの赤ちゃんを養育里親として預かることになった。