日本財団 図書館


丁度、仕事の休みを利用して市の福祉課に電話すると、電話口に出たのは職員組合活動で知っている人でした。ちょっとまずいかなーと思ったが、話しを聞いて頂き、子どもの預かる時は仕事は辞めようと思い登録する事にしました。初めは、周囲に知れずこっそりと思っていたが、登録して2年目位に里子に面会となり、毎週日曜日を楽しみにしていました。

暮もおしせまった12月、運命的な事になったのです。乳児院からクリスマス会の招待で出席。この時は平日の為、私一人で初めて遠い道のりを自動車で運転をしました。会が終って帰ろうとした時、保母に抱かれた長男が大粒の涙を溜め、「お母さん、お母さん」と泣いています。保母さんが「ほら、たあちゃん、お母さんお勉強中でしょう、帰らないでしょう、だから安心してお午睡しよう」と言って、私の胸に長男を手渡し、しばらくその状態が続き、納得して午睡に入りました。

これを機に主人と話しをして、私は12月を最後に職場を辞職、長男を引き取る事にしました。昭和56年12月22日の事でした。時々保育園の行事には長男を連れて参加、22歳になった今でも自分はお母さんの保育園に通園していたと思っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION