20年前の里親委託の状況は今とは少し違っていました。特別養子縁組がまだ法制化されていなかったので、養子縁組といえば、普通養子縁組だけでした。どちらかというと養育里親を重視し、里親さんから縁組希望がだされると、親子の絆をつくること、親子関係の中身を充実させることが大事なのであってかたちにこだわる必要はない、縁組にこだわる必要はないのではないかとまず答えていました。それでもどうしても縁組したいというときには、親子関係をみたうえで家裁に申立てしてもらっていました。普通養子縁組が今の特別養子と同じくらいの重みがありました。その頃はもう少し時間的余裕があったせいか、家庭訪問等も頻繁でかなりていねいな対応をしてきたような気もします。そして、子どもの発達をみきわめてからと言う理由で、2歳すぎてからの委託が多かったです。
しかし特別養子縁組制度ができた頃から少しずつ考え方や状況が変化してきました。養子縁組が可能な子どもは、親子の関係がついてきたら、早めに縁組してもらうことつまり、法的な保証もすることで真に親子として安定できる、養子に出せる子はできるだけ早く委託したほうがよいということになってきました。