日本財団 図書館


子どもの心配を親がすると、いつまでたってもバウンドリーができません。遅れれば恥ずかしいという体験をすると、子どもはまず間違いなく変わります。特に子どもの時期はまだ性格が固まっていませんので、その効果は早く現れます。

 

2) 私たちは自分のフィーリングや活動や行いに責任がある

第2番目の原則は、私たちは自分のフィーリングや活動や行いに責任があり、他人のために責任をとるとき彼らを未熟な状態に置き続けるということです。これは「責任の原則」ともいいます。

たとえば自分自身がいらいらしたり、怒ったりするとします。それをしばしば相手の人に責任をなすりつけることがあります。「あなたがこうだから、自分はこうなるのだ」ということです。それは、この責任の原則というものを実践していないことです。

たとえば3歳、4歳あるいは思春期の子どもがいたとします。その子にいらいらさせられることがあるのではないでしょうか。あるいは夫の行動にもです。逆に妻の行動にいらいらさせられてしまうことがあるかもしれません。そのときに、相手の人に、あるいは相手の行動に責任をなすりつつけてしまうなら、バウンドリーのない証拠です。このような人は「あの人さえ変わってくれたら・・・・・・」という、自らの心の状態を他人にコントロールさせてしまっているのです。このような態度ではバウンドリーは形成されませんし、生涯いらいらしながら生活しなければならないでしょう。たとえどんなことでも、自分の中に起こってくる感情、あるいは行いについて相手に責任をなすりつけている間は、バウンドリーは形成されませんし、相手を変えることも不可能です。

 

不倫への実践

一つの例をお話ししたいと思います。

カウンセリングをしていると不倫問題を扱うケースが多くあります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION