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市民参加とコミュニティ

今村巧児(福岡県太宰府市総務部企画課主任主査)

 

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太宰府市全景

 

はじめに

 

太宰府市は福岡市の南東約16kmに位置し、人口は約6万5千人、市域面積は29.61km2で、市内を九州自動車道、国道3号、JR鹿児島本線、西鉄大牟田線等が走り、また、九州自動車道太宰府インターチェンジが設置されているため、福岡都市圏の南の玄関口としても位置づけられているほか、福岡空港にも隣接し、交通の利便性に恵まれています。

かつては水田稲作を中心とした農業と学問の神様で有名な太宰府天満宮門前町を中心とした商業が生活の基盤として市域を形づくっていましたが、昭和40年代後半からの福岡都市圏の膨張とともに、大規模開発による宅地化が進行しました。

このような立地条件の中で、急速に人口が増加し、大学、短期大学等が9校、高校が4校立地する住宅・文教都市として発展しています。

人口の増加は他市町村からの流入が大半を占め、また、市外への通勤者が多いことから、第一次産業や第二次産業の占める割合は相対的に低下し、小売業を中心とした第三次産業が活発化しつつあります。

また、約1,300年前には、大陸文化の窓口、防衛・外交の要衝(九州全域を統括する拠点)として大和朝廷によって「太宰府」が置かれていました。

「遠の朝廷」(とおのみかど)と呼ばれていた「太宰府」は現在も国指定特別史跡として往時の人々も眺めた風景を残しており、訪れる人々に時の流れと歴史を体感させる貴重な空間となっています。

この他にも、市内には観世音寺、戒壇院、太宰府天満宮など、数多くの歴史的文化遺産を有していることから、「史跡・観光のまち」としても広く知られており、特に年始や観梅時期には多くの人々が訪れ、賑わいをみせています。

さらに、平成8年3月には、明治以来約百年に及ぶ九州がひとつとなった誘致運動が実を結び、国立博物館の設置が本市に決定しました。

21世紀に向けて国立博物館をまちづくりの資源として活かし、「国立博物館のあるまち」にふさわしく、アジアに視野を広げ、新たな交流と歴史を刻む「太宰府」への発展を目指しています。

 

まちづくり百人委員会

 

現在、本市では第四次総合計画(平成13〜22年度)を策定しており、平成10年度に市民公募による「まちづくり百人委員会」を開催しました。

この委員会は本市の総合計画策定過程での初めての直接的市民参加であり、将来のまちづくりの指針となる総合計画の策定に向けて、広く市民の意見を聴くために設置したものです。

 

 

 

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