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コミュニティが生み出す町の活力

植野嘉章(和歌山県那智勝浦町企画課長)

 

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那智勝浦町全景

 

はじめに

 

那智勝浦町は、和歌山県南部・紀伊半島の南東側に位置し、東西19.80km、南北19.20km町の総面積は、183.41km2で前面に熊野灘が広がり、ほぼ中央に那智川、太田川が流れ、背後に紀伊山脈の峰々が連なり、年平均気温16.6度、降水量は、年間3,000mm以上、温暖多雨で冬季積雪を見ることはほとんどありません。

昭和30年4月に4ヶ町村が合併し、さらに昭和35年に2ヶ町村が合併色々な特色をもつ地域の集合体となりました。人口は20,000人でその多くは僅かな面積の海岸部に集中しており、山間部は過疎化のため人口の減少が進んでいます。

国道42号線が南北に縦走し、和歌山市へ4時間、京阪神には5〜6時間、名古屋へは5時間の位置にあり、鉄道ではJR紀勢本線で、京都、新大阪、名古屋などから特急列車で3時間半から4時間半もかかる地理的には非常に不利な条件下であります。

しかし、古来より都をはじめ全国各地から多くの人々がこの熊野を目指して旅したところであり、その参詣のさまは「蟻の熊野詣」と称され今に伝えられています。

本町には、熊野信仰の聖地那智山があり、日本一の那智の滝や熊野那智大社、西国33ケ所観音巡礼1番札所那智山青渡寺などを中心として多くの歴史文化遺産があり、また南紀を代表する温泉と生マグロの水揚げ日本一の町として、現在なお年間200万人以上の観光客が訪れる県内有数の観光地であります。

 

 

 

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