なお、今回の会議は、国際見本市会場で行われ、会議の公用語としては、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語でしたが、我々調査団のために特別に開会式、全体会議、分科会及び閉会式の会場には、日本語同時通訳のブースが設けられましたので、会議の内容をよく理解することができました。
3月21日(日)
開会式(16:00)
歓迎舞踏会(21:00)
開会式は、「来るべき21世紀には、地方行政府は、グローバライゼーション、新通信技術、都市化、地方分権化といった新しい課題に取り組むために結束して一つの強力な発言権をもつ必要がある。本会議は20世紀の終わりと新世紀の始まりを告げる画期的なイベントであって、市民のために明るい未来を築くというグローバル・ミッションにおいて結束する地方行政府の祝典である。」とNorbert Burger IULA総裁(ケルン市長)の開会宣言、Jan Closバルセロナ市長の歓迎挨拶、Annan国連事務総長のメッセージの代読等により行われました。
合間には、歓迎アトラクションとして、タンゴの演奏、情熱と哀愁に満ちたフラメンコショー、ピカンデスと呼ばれる巨人や大きな頭の人形の登場、棒ダンス、人間タワー等が披露されました。
会場を改めて開かれた歓迎舞踏会は、モンジュイックの壮大なパラオ・ナシオナル宮の大ホールで和やかに友好的な雰囲気の中で行われました。
3月22日(月)
全体会議(9:30〜13:00)
地方民主主義、持続可能な発展、社会的団結と市民参加
この会議のテーマは、それぞれ孤立したものではなく、グローバル・ミッションの多彩かつ補完的な側面を表すもので、それらの関連性を理解し、各テーマを検討した上持続可能なコミュニティづくりを成功させるために、戦略と施策をどう導入するかという問題が論議されました。
分科会
22日の午後と23日にかけて、次の4つの分科会が実施されました。
都市の犯罪撲滅(15:00〜18:30)
経済的発展と生活の質的向上を図る政策づくりにおいて、世界中の都市は犯罪問題やリスク防止問題に取り組む必要性を徐々に認識しつつあります。
過去の経験に関する情報交換を行い、成功した戦略を中心に議論されました。
3月23日(火)
天然資源の管財者としての地方行政府(9:00〜11:00)
地方アジェンダ21の展開と促進においては、IULAとそのメンバーの各国当局は重要な役割を果たしてきました。
持続可能な開発戦略を検討し、特に、エネルギー、食料、水、大気、生物多様性などの問題も含め、未来の重要天然資源を保護する必要性並びに都市計画に総合的に取り組む必要性を中心に論議が進められました。
地方行政への女性の参加:差別(11:30〜13:00)
ほとんどの国では、男女平等を正式に認めています。しかし、地方行政の意思決定に参加する人々は男女平等からほど遠いというのが現実です。
IULAは、「地方行政への女性参加に関する世界宣言」をスローガンとして掲げ、未来に目を向ると共に、差別を行ってきた事例に光を当て、どうすれば政策や政治的公約を具体的行動へ転換できるかという点を中心に議論されました。
適応し現代化する地方自治体(15:00〜18:30)
「世界は急激に変動している。それに伴い、地方行政府の役割も変わってくる。新しい通信手段、進む地方分権化、資源に対する圧力増大、市民の新しいニーズ、民間部門や市民社会との提携傾向の増大、こうした動きすべてが地方行政府に圧力をかけ、地方行政機構の合理化を迫り、新しい指導形態と統治形態を生み出している。」という訴えに議論は集中しました。