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自治だより 7月号 No.132

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


法定外普通税について標準税率を下回る税率で課税を行う場合は、公共施設の建設等のための地方債の発行が禁止されており現在、標準税率を下回る税率で課税を行っている地方団体は皆無となっている。

地方分権推進計画では、課税自主権の尊重の観点から、「普通税の税率が標準税率未満の地方公共団体については、従来、公共施設・公用施設の建設等の財源に充てるための地方債の発行が禁止されてきたが(キ)と同様の仕組み(地方債の発行自体を禁止し、特定の場合にはそれを例外的に解除する手法として許可制度を設ける)を導入する。」とされたところである。このことにより、標準税率未満の課税団体について、一定の場合には、公共施設の建設等のための地方債を発行できる途が開かれることになる。

地方団体間の税率の多様性については、それが納税者に対する財政責任を高めているかどうかということがポイントになると考えられる。財政調整制度が十分でない場合には、税源の乏しい地方団体が自らの税収で財政需要を賄おうとすれば、高い税率を設定せざるを得ないこととなるため、地方団体が税率決定権をフリーハンドで行使し、財政責任を高めるためには、財政調整制度を十分に確立することが不可欠であるとされている。

地方団体に課税自主権を与えれば財政調整制度は縮小できるかのような見解も一部に見受けられるが、財政調整制度は必ずしも地方団体の税率決定権を制約するものではなく、むしろ地方団体の課税自主権を保障する側面があることも否定できないと考えられる。

 

3 国の経済政策と地方税制

 

平成11年度の税制改正においては、いわゆる6兆円を超える規模の恒久的な減税が行われるが、数次の景気対策等のために地方債残高は累増し、大幅な税収不足が見込まれる中で、国の景気対策に地方がどこまで協力すべきか、特に国と地方で減税額をどう分担するかについて議論があったところである。

今回の恒久的な減税においては、地方税減税による減収を補てんするためとはいえ地方への税源移譲が実現し、地方特例交付金が創設されるなど新しいパターンの地方財政措置が講じられた。この点では、従来の減税における財政措置と比べて景気対策についての国の責任が明確になるとともに地方分権の考えに沿った措置となっていると言うことができるが、今後景気対策としての減税が行われるとした場合の地方税の対応については、地方分権を推進する観点から検討すべき様々な課題があると考えられる。

 

4 地方分権に対応した税務執行体制

 

地方の税務執行体制を支える税務職員の状況について見てみると、税務職員数の推移については、国が増加傾向であるのに対し、地方は全体として減少傾向にあり、税務職員の年齢構成についても、若年層の職員が多く、ベテランの40代、50代の税務職員の構成比が一般行政職に比べて低くなっている。

さらに、数年サイクルの人事ローテーションが広く行われている現状では、税務分野における経験年数の少ない職員の割合が高くなりがちである。このため、国に比べて地方では税務行政に関するノウハウをうまく蓄積していくことについての対策が必要ではないかという指摘もある。

こういった状況のもとで、適正かつ効率的な税務執行を確保するためには、職員研修を充実させるなど税務職員の育成が大きな課題となる。

また、徴収確保対策として各地方団体において、様々な努力が行われているところだが、今後の分権型社会においても地方団体が相互に協力して徴収確保対策を講じていくことが必要と考えられる。

 

おわりに

 

分権型社会において、これまで以上に重要な役割を果たすことが期待されているのが納税者たる住民である。納税者が身近なところで税を納め、それがどう使われるかを監視していくことで、税の使われ方も効率化すると考えられる。納税者による歳出チェック機能を働かせていくためにも、納税者にわかりやすいよう地方税の制度面、執行面の透明性を向上させることが必要である。

そのためには、税制の簡素化、受益と負担の関係の明確化、情報公開・税務広報・納税相談などの充実、が必要である。

いずれにせよ、行政サービスのコストと住民の税負担の関係がわかりやすいよう地方税制は簡素かつ明確であるべきで、分権型社会における地方税制のあり方を考えるにあたって、今後この点についても検討が進められることを期待したい。

 

 

 

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更新日: 2008年11月29日

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