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その場合、以下の点について十分に検討することが必要である。

1]フラット化により税収の伸長性が低下すること、

2]個人住民税と所得税を合わせた税負担が増加しないように設定しても、個人住民税だけで見ると低中所得者層の税負担が増加することから、個人所得課税における個人住民税の割合の拡大について理解を得ることが必要であること

第2に均等割については、全ての住民が地方公共団体から様々な形で行政サービスを受けており、その対価として低所得者層等を除く住民が等しく負担を分任するものであるが、現在の税額は、人口50万人以上の市で年額3千円、人口5万人以上50万人未満の市で年額2千5百円、その他の市及び町村で年額2千円、都道府県で年額千円と少額であり、また、個人住民税収に占める均等割税収の割合も昭和25年度の18.3%から平成8年度の1.8%と約10分の1の水準に低下している。

このため、均等割の性格から自ずから限界があるが、以下の点にも考慮しつつ、一定の水準に引き上げることが必要である。

1]生活の基本となるサービスの料金との比較から見ると、水道料金が年額11, 592円(東京都水道局、10立方メートルまで)、NHKの受信料が15, 490円(カラー契約、訪問集金)、電話の回線使用料(住宅用)が年額22, 050円となっており、それと比較しても少額に留まっていること

2]サービスの価格の上昇率との比較で見ると、昭和30年代初めと平成9年度を比べた場合、道府県民税と市町村民税を合わせた均等割の平均税率は昭和30年度の439円から3, 511円と約8倍となっているのに対し、サービスの価格は理髪料金が約24倍、大工手間代が約26倍となっており、サービスの価格の伸び率と比較すると約3分の1程度に留まっていること

3]均等割の負担水準で見ると、昭和30年度と平成9年度を比較した場合、均等割の平均税率の1人当たりの国民所得に占める割合は約5分の1に、道府県と市町村を合わせた1人当たりの歳出決算額に占める割合は約8分の1に低下していること

 

 

 

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