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また、流動・固定の別は一年基準によることとした。

 

続いて、資産の部の整理を行った。

 

有形固定資産の評価額は、決算統計の普通建設事業費の額を累計することにより求めることとした。普通建設事業費とは、道路、橋りょう、学校、庁舎等公共用又は公用施設の新増設等の資産形成に資する事業に要する投資的経費である。

また、実際の有形固定資産が、土地を除いて、経常的に減価している事実に鑑み、後世代に継承される資産を把握する観点から減価償却を行うこととした。

なお、減価償却は耐用年数が資産の特性を極力反映していることが望ましいこと、決算統計資料との整合性を図ることが好ましいこと等を勘案し、決算統計の普通建設事業費の区分ごとに、地方公営企業法施行規則の定める耐用年数等を参考にして耐用年数を設けることとした。維持補修等を行うことによって、相当長期にわたって供用されることが予想される資産があるが、こうした資産についても、実際に経常的に減価している事実に鑑み、耐用年数を設けることとした。

国等より補助金等の交付を受けて形成された有形固定資産は計上することとしたが、他団体に支出した補助金、負担金等により形成された有形固定資産は計上しないこととした。これは、当該団体が所有・管理する財産を資産計上するとの考え方に基づくものである。

また、有形固定資産は行政目的別に分類・表示することとし、別途内書きで土地の取得累計額を一括表示することとした。これは、バランスシートができるだけ財政運営にも役立つように資産形成分野を明らかにすることが望ましい、との考え方によったものである。

なお、当該団体に形成されている資産の状況を住民にわかりやすく開示する観点から、決算書に添付される「財産に関する調書」等の内容を踏まえ、主な有形固定資産について、附属書類で取得価額、減価償却累計額等の情報を表示することとし、土地については附属書類で主要な分野ごとの昭和44年度以降の取得累計額を明らかにすることとする。

また、今回の研究会の検討においては繰延資産は設けないこととした。繰延資産は将来費用化するものを資産の計算項目として計上する手法であるが、今回の研究では、損益計算を前提としていないこと等から繰延資産は設けないこととしたものである。

 

負債の部では、次のような検討を行った。

 

地方債に関連しては、将来の交付税措置が予定されている地方債の表示方法が議論された。この場合、将来の交付税措置とは基準財政需要額に公債費の一定割合を含めて算定するということであって、後年度に現金の収入が予定されることと同義ではないので、本表に表示等しないこととした。

 

 

 

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