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これ以上の基準が必要とされるのは、まれである。

 

15.1.6 詳述された例外的な状況において、当局が下請業者の交代につき管理を保持する場合、これらの管理は、資金提供者が、直接合意にもとづくみずからの権利にしたがって指名を望んだ後任の下請業者にも、適用される。

 

15.2 雇用者の管理

 

15.2.1 事業者については、当局は一般に、事業者(もしくはその下請業者)がだれを雇用するかを管理しようと努めるべきではない。但し、正当な根拠(例えば、公序良俗に関わる事項、国家の安全に関わる問題、人物証明もしくは制定法上の義務)がある場合はこの限りではない。

 

15.2.2 当局の関心は、その雇用に関連する犯罪で有罪決定を受けた人物の雇用を阻止もしくは終了させることに集中する公算が大きい。当局の関心が事業者にとっても関心事の問題(例えば詐欺による有罪判決)に関連する場合、事業者にとって、問題にはなりそうにない。事業者は、不正直な雇用者を処置に対する措置を講じるため、雇用手続に安全装置を組み込むことにも同じくらい熱意を燃やすだろう。

 

15.2.3 当局の何らかの管理が必要とされるプロジェクト例としては、刑務所や防衛に関わるプロジェクトがあり、これらのプロジェクトにおいては、当局は安全に関わる微妙な問題に関連する制定法上の義務が理由となり、スタッフの全員を承認する必要性を持ち続ける。当局は、いかなるスタッフであれ、その雇用を阻止、もしくはその免職を要求する権利を有する。同様に、公序良俗に関わる事項とは、例えば当局が学校プロジェクトに関与する場合、一定の性質の有罪決定を受けた雇用者を望まないということである(とはいえ、ここでも、当局と事業者がこのような問題につき共通の利益を持っている公算は大きい)。

 

15.2.4 当局がある程度事業者の雇用者に対して管理を保持することがを正当化される、異例な事例では、当局は入札手続の一部として、適切な制限につき事業者との間に合意を締結すべきである。事業者の職員および雇用方針は、当局の課す必要条件を反映する必要があるし、これは費用に密接に関わることもあるかもしれない。契約の規定は、妥当であり、かつ当局によるスタッフの拒否もしくは免職を許容し、かつこのような措置の結果というリスクを事業者に負わせるものでなくはならない。雇用者がある適切な基準を満たさないという判断は、当局の監督権の範囲内で、客観的証拠にもとづいて下されなくてはならない。事業者は、一定の人物証明手続には契約相手である当局の支配が及ばないかもしれないことに留意すべきである。

 

15.2.5 【19.3 代替的使用法のない資産の引き渡し】で言及された事項が該当する場合、サービス提供期間の終了時には、雇用者に対し監督権が行使される必要がある。

 

15.3 管理の結果

 

当局が、下請業者および(もしくは)雇用者に対するなにがしかの管理を保持している場合、契約は、当局が特定の団体に異議を有するか否かを確認するために取られるべき手続を記載すべきである。当局が指定された期限内に返答を怠った場合、【5.2 保証を要する出来事に起因するサービス提供開始の遅れ】にしたがって処理されるべきである。当局は、みずからが返答を怠った場合に“承認”が与えられたとみなされるか否かにつき、慎重に検討すべきである。

 

 

 

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