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そして私たちが、「川を汚してるなあ」「家庭排水を出してるなあ」と痛切に感じまして、それから浄化運動を始めまして、油で川を汚さないようにしようという運動を始めて、行ったのが天ぷら廃油での石鹸づくりであったり、ぬかを肥料にするように私たちが考えて行ったというようなこともありますし、現在はEMぼかしとか、そういうことも、環境を汚さないようなこともやっております。

 

藤岡−どうもありがとうございます。また少し口をはさみますが、環境ってなんだろうなあというようなことを考えてみますと、都会に、私もこの前まで東京に住んでおったんですけども、ふるさとの山、川とパッと浮かぶわけですね。先ほど、森の話、日本人の心の中にある話なんですけれども、環境をみる視点というのは幾つかあると思うんですが「ふるさとは遠くにありて思うもの」というような意味合いでみる環境と、それからそこで生活しておられる方達が考える環境と、ちょっと物差しをかえるだけで、考え方が変わってくるというような面が多々あります。そういうことを踏まえて井元さんにお聞きしたいんですけれども、海を中心に地元でいろんな活動を繰り広げられておる、井元さんのご経験とご意見を少しお聞きしたいんですが。

 

環境を見る視点で、環境に関する考え方も変わるもの

 

井元−あの、私ここへあがって来るまえに、立松さんに「立松さん、是非とも牟岐の海に一回潜ってください。」というふうなことを言ったんです。どういうことかと言いますと、私、現場のことだけしか知りませんから、現場のことを言いよると立松さん、その上いっとるんですね、全国ずーっと見てきておりますから。これはうっかりしたことは言えんなあ、という緊張感があります。そういうなかなんですが、最初上がって来る前にそういうことを言ってですねえ、立松さんの講演をですねえ、ずーっと聞いておりまして、すっと私の頭の中に入って来たのは、現在私ところで漁業、一次産業ですね、一次産業の衰退というのは漁業だけじゃありません。農業、林業もあります。一次産業の、私たちは漁業の衰退をどうして立ち上げるか、要するに窮地を脱出していくか、ということで、いろいろ考えてきました。で、やったこともあります。それも失敗の連続でね。やけ酒も飲んだこともあります。お母ちゃんとケンカしたこともあります。というようなわけで、ずーっとやってきて、やっとこさ、漁業と何を組み合わせたらですね、漁業の活性化はもちろんですが地域の活性になり、そしてまた、今日テーマになっている「環境との共生」ですか、わたしは、誰かが今日も言ったんですが、共生という言葉はあんまり好きじゃないんです。つきあい方です。自然とのつきあい方ができるかというので、ずーっと考えてきて、漁業とスキューバダイビングならというふうな、頭の中に絵が浮かんできたんです。そういう状況なんです。

まあ、それはともかくとして、一番うれしかったのは、立松さんの講演の中で、私の考えておることと、すーっとだぶってきたのはですね、棲み分けとか、それから、ここへさっと走り書きしてあるんですが、多種多様というようなことがでてきました。

 

 

 

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