日本財団 図書館


藤岡−どうもありがとうございます。確かにその人間のあり方自身が問題なんでしょうけれども、これは理屈だけの話ではなしに、じゃあ、実践として実際生活の中でそういうことができるかどうかと、自然に対して優しいというと非常に不遜なんで、本当はそうじゃなしに、自然の摂理の中で人間が生きていくということはどういうことだと、そういうふうなことが、まあ少し難しく言えば、そういう話になろうと思うんですね。ある意味ではこれを実践なさってきた河原さんにお伺いしたいんですけれども、私たち生きていくためにいろんな働きかけを自然に対してやっているわけですけれども、その中での取り組みというご経験をお話いただければありがたいんですが。

 

031-1.gif

 

河原−私たちが生活していくうえで、千賀先生がおっしゃったように、自然を破壊してきたと、これを第一次石油ショックの時に、私は痛切に感じたわけなんですけども、それが消費者にとって、なんとかしなければいけないなあと言って始めたのがあの時に、私たちが愚かなことに、トイレットペーパーの買い占め運動を実際問題としてきたわけですね。だからあの時にふと、もう一度リサイクルをしなければいけないんだと感じて運動を始めたのが、古紙回収だったわけです。

それで佐古の生活学校として、団体として古紙回収をはじめました。それで、毎月づき。佐古町っていうのは人口が14,000人くらい、戸数にして4,000戸あまりの町なんですけれども、国道192号線が通っておりますので、それを境にして、南と北に分けて、毎月実施いたしました。今年で22年間したわけなんです。で、考えてみますと22年間もよく皆さん協力してしてやってくれましたけれども、それはやはり、資源を大事にするという心があったということと、行政も途中でそれに気がついて補助金を出してくれたということで、欲張りをいえばそれが活動資金にもなったんですけども、このあいだもそれを集計してみますとなんと22年間に1000万近くなったんです。そんなにあると思わなかったんですけども、「塵も積もれば山となる」ということわざがありますけれども、私たちが運動したのは953万円くらいになっておりますので、本当になんでもないようなことなんですけども、団体が力を合わせて住民活動としてやれば、本当にこれは力強いことだなと、やれるんじゃないかなと思っております。

私たちは、生活学校というのはその時々の課題を何とか住民活動で解決して、実践していこうっていうのが、生活学校運動なんですけれども、住民運動として過去にとりあげたのは、そればかりではありません。古紙回収はそれだけなんですけども、その後には川を汚さないようにということで、平成元年だったと思いますけれども、アンケート調査をいたしました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION