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3 小鹿野町の地域特性と在宅福祉サービス

・県西北部の山間地域に位置し、都市的土地利用が少なく、人口減少と高齢化の進んだ小規模都市の一つである。

・健康福祉施設は、町の中心地に集中立地している。町営病院をはじめ健康保健施設まで、行政主導で施設整備が進んでいる。福祉施設の運営も直営あるいは行政と強い連携関係にある社協と1社会福祉法人がその運営にあたっている。

・調査対象項目のうち10項目が実施されており、社会福祉法人への委託2項目、民間企業(域外)1項目のほか、7項目を直営で実施している。在宅福祉サービスも、施設サービス同様に直営を基本形態としている。

・民間企業の立地はないが、三つのボランティア団体が社協との連携サービスや施設ボランティアを実施している。

 

(1) 自然地理的特性

 

埼玉県西部の秩父地方に位置し、荒川上流域の支流である赤平川及び吉田川の流域を町域とし、標高が東から西(二子山、1,165m)へと高くなる地形となっている。町域は東西方向にやや長く面積は約100km2と大きいが、可住地は主に町役場のある東部の赤平川周辺地区に限られる。年間平均気温は13℃前後と、平野部にある大宮市、東松山市よりもやや低く、とくに冬季は寒冷な気候を示す。

地目別の土地利用をみると、「宅地」が2.4%、「田畑」が10.4%と極めて少なく、「山林・原野」、「その他」があわせて約87%と大半を占め、自然資源の豊かな山間地域である(前掲図表2-1参照)。

 

(2) 社会経済的特性

沿革:昭和30年4月に2町村の合併により小鹿野町が設置され、翌昭和31年3月に2村を合わせて現在の町域となった。

人口・世帯の推移:昭和30年に14,751人であった人口は、以後、減少傾向をたどり、平成7年には12,451人、約16%減となっている。しかし、世帯数は同じ期間に2,690世帯から3,576世帯へと約33%増加し、世帯規模は3.48人となっているが、これでも県平均や他の2モデル地区よりはなお大きい(前掲図表2-2、3参照)。

人口・世帯の構成:平成7年の年齢3区分の構成は、老年人口比率が県平均の2倍と高く、生産年齢人口比率が約10ポイント低いのが著しい特徴である。高齢夫婦、高齢単身世帯の割合も県平均の約2倍となっており、山村地域の例にもれず、高齢化が進んでいる(前掲図表2-4、5参照)。

昼夜間人口比率:99.3とほぼ均衡しており、就業・就学流動の少ない地域である。常住就業者の約7割が域内で就業しており、移出入率の高い大宮市、東松山市とは対照的である(前掲図表2-6参照)。

産業構造:公務を除く第3次部門就業比率が低く、製造・建設が主産業であり、農業従事者もなお7.7%を占める(平成7年国調)などの特徴を示す(前掲図表2-79参照)。

交通:町域外東側に秩父鉄道が通っているが、域内には鉄道はない。幹線道路としては、国道299号線が町を東西方向に横断して域外東方で国道140号線(荒川沿いに寄居方面・大滝方面と結ぶ)とクロスし、正丸峠越えで飯能方面と結んでいる。

 

 

 

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