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2 地方自治体が自ら行う運輸部門の温暖化対策

 

調査研究委員会 委員

鹿島 茂

 

(1)背景

我が国の温室効果ガスの排出量を1990年比で6%削減するための基礎となる法律「地球温暖化対策の推進に関する法律」が、昨年(1999年)4月に施行された。この中で地方自治体に対しては、温室効果ガスの排出量の抑制等を実現するために住民や民間企業に対する対策ではなく、地方自治体自らが行う事務や事業に際して実施すべき対策作り(実施計画)が求められた。

実施計画は、大概5年を1期間とし、地方自治体の事務及び事業の実施に伴って発生させている温室効果ガスの総排出量を定量的に把握し、これを削減するために自ら実施する対策と、対策実施による総排出量の削減目標を定量的に示すことを求めている。そして実施計画で配慮すべき内容として、次の5点を挙げている。

1]財やサービスの購入、使用に当っての配慮

2]建築物の建築、管理等に当っての配慮

3]その他の事務、事業に当っての環境保全への配慮

4]職員に対する研修等

5]計画の推進体制の整備と実施状況の点検

京都市は、この法律の施行に先立って実施計画に相当する「京都市役所エコ・オフィス・プラン−環境保全に向けた率先実行計画−」を作成し、公表している。この計画では、運輸部門での対策として、次のようなものを挙げている。

低公害車等の購入→1]の対策に相当

来訪者に対しての自動車利用の抑制の呼び掛け→2]の対策に相当

職員の移動時の公共交通機関の利用→3]の対策に相当

アイドリングの中止→3]の対策に相当

定期的な自動車整備の施行→3]の対策に相当

この計画では、職員の通勤や財・サービスの購入に伴う民間企業等の搬入行動、行政サービスの提供を民間企業等に委託した場合の民間企業等の交通行動等を対象にしているのか否か不明である。

 

(2)考慮すべき範囲

地方自治体が行う事務・事業に伴って発生する温室効果ガスの排出量を運輸部門で抑制するために対象とすることが一般的に考えて適当と判断される交通行動の範囲はどのようなものであろうか。地方自治体が事務・事業の実施に伴って発生させている主な交通行動を整理してみよう。最も直接的な交通行動は、事務・事業の実施のために地方自治体の職員が行う交通行動である。これには、事務・事業を効率的に行うための関連部所との連絡・調整の交通行動も含まれる。

次は、事務・事業を職員が行うためには、特定の場所へ職員が集まることが必要であり、このために交通行動が発生する。いわゆる通勤交通である。

 

 

 

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