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本研究では、試料が乾いた状態については論じておらず、過大な水分値に起因する粘着力の低下による荷崩れの危険性について検討している。こうした水分値の範囲では、仮想篩上試料の水分値は、粒子の中に含まれる水の量の最大値に近いと考えられ、試料の水分値が一定以上であれば、篩下試料の水分値によらないと考えるのが妥当である。

以上の考察に基づき、水分値換算方法を決定した。

 

A.3.3 水分値換算の式の導出

乾燥状態における通過重量百分率は実験により求めることができ、所定の粒径範囲の粒子が含み得る最大の水分値は、粒子を長期間水に浸し、その周囲の水を手早く拭き取って水分値を計測することで求めることができる。よって、通過重量百分率及び所定の粒径範囲の粒子が含み得る最大の水分値基づき、篩い分けにより得られた試料の水分値から、元の試料の水分値を求めることができれば、水分値の換算が行える。式は以下の通り。但し、空気の質量は無視できるものとする。

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式の各記号の意味は以下の通り。

Mc: 水分値

Ms: 固体部分の質量

Mw: 水の質量

T: 元の試料(最大粒径A)を意味する上付きの添え字

S: 篩下試料(最大粒径B、B < A)を意味する上付きの添え字

L: 粒径範囲B〜Aの粒子を意味する上付きの添え字

P: 元の試料中に含まれる篩下試料のの乾燥状態における質量の割合

(A.3.7)式(本文4.4節(4.4.1)式に同じ。)を用いて、最大粒径の小さい試料の水分値を、最大粒径のより大きい試料に水分値に換算できる。

 

 

 

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