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これは、昭和46年に廃線となった旧国鉄世知原線の線路跡地を自転車・歩行者専用道にしたものだ。ここでなら、存分にサイクリングを楽しむことができる。

−松浦鉄道の車両で自転車持ち込みを行い、地元でサイクリング大会などを開けば町起こしにつながるのでは。

尼崎 その可能性は大いにある。当町は豊かな自然や史跡・文化財に恵まれ、観光資源も豊富。なかでも最もユニークなのは、町内の佐々川沿いの岩場に分布する「ポットホール」という独特の地形だ。

ポットホールは、川床の岩盤などにできる円筒状の穴。川の水流により、長い年月をかけて自然に形成される珍しい地形だ。これを利用し、平成3年には河川公園として「ポットホール公園」をオープンさせた。

−ポットホール公園などの観光資源は町外からの観光客を呼び寄せる要因となり、ひいては自転車による観光の促進にもつながりそうだが。

尼崎 その通りだ。町の観光資源はポットホール公園のほか、国指定史跡の福井洞窟、天然記念物のシダ群落、「スポーツと花と緑の公園」など数多くある。今後、こうした資源を生かして多彩なイベントを開催したいと考えている。

また、吉井町は隣接する佐世保市のベッドタウンとして、今後の発展が期待できる。平成16年には佐世保市から吉井町に抜ける新トンネルが完成し、交通の便が一層よくなるので、佐世保市などからの転入者が大幅に増える見通しだ。

−人口の増加に伴い環境問題の発生も懸念される。

尼崎 その点については、行政と町民が一体となって万全の対策を講じる。町としては合併処理浄化槽の普及を一層推進することによって、貴重な水源である佐々川の水質保全を図りたい。また、吉井町民の任意団体である「環境を考える会」が昨年6月に発足し、ごみの減量、再資源化などに取り組んでいる。このような活動によって、町としての発展と環境保全をバランスさせた豊かなコミュニティーづくりを進めたいと考えている。

 

 

 

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