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2. 宮崎県における国際物流効率化に向けた課題

 

(1)宮崎県における国際物流効率化の方向性

課題の整理にあたり、宮崎県における国際物流効率化の方向性を整理する。

 

1]宮崎県を中心とする港湾周辺地域で生産・消費される貨物の細島港利用の促進

細島港の輸出入コンテナ取扱量は着実に増加しているものの、1998年10月に実施された「全国輸出入コンテナ貨物流動調査」においては、宮崎県で生産される輸出コンテナ貨物の13.2%、消費される輸入コンテナ貨物の20.8%を取り扱っているに過ぎない。こうしたことから、県内で生産・消費される輸出入コンテナ貨物の細島港での取扱比率を高めていくことが必要である。さらに、県外も含めた南九州各地においても、細島港利用によりコスト削減などのメリットが図られる荷主に対して利用拡大を図ることが望まれる。

 

2]輸出入コンテナ貨物に関連した国際物流機能の強化

細島港の利用を促進する際には、一層の航路網の充実が望ましいことに加え、小口混載貨物の取扱いなども含め、国際物流機能をさらに強化していくことが求められる。

 

(2)宮崎県における国際物流効率化に向けた課題

(1)を踏まえ、宮崎県における海上輸送網を活用した物流効率化に向けた課題を整理する。

 

1]外航コンテナ定期航路の拡充

現在、細島港に開設されている外航コンテナ定期航路は、韓国・台湾のみが海外の寄港地となっていることから、両国以外との輸出入においてはトランシップが必要となっている。リードタイムの短縮や輸送コスト削減のためには、直行航路の開設が望ましいことから、既存航路の延航や新規航路の開設により、東南アジアや中国などとの直行サービスを提供していくことが望ましい。

また、船型を大型化し、1航海あたりの輸送量が多くなるほど単位あたりの海上輸送コストは削減されるため、現在進められている大型船対応バース整備に合わせ、より大型の船舶の投入を促進していくことが求められる。

 

2]港湾物流機能の強化

 地場中小貿易業者の場合、輸出入貨物のロットが小さいことから、細島港の利用を促進するためには、LCLカーゴ(1コンテナに満たない小口混載貨物)の取扱いサービスを提供していくことが求められる。また、輸出入にかかる事務処理を効率化に関して、通関等の事務を行うSea-NACCSは1999年10月のシステム更新に伴い、すべての税関(支所・出張所含む)で対応が可能となっており、今後は港湾EDIなどとの連携を強化し、輸出入に関連する各種手続の効率化・迅速化を図っていくことが望まれる。

 

 

 

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