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10]港湾間の役割分担と連携

宮崎県の重要港湾である細島港、宮崎港、油津港は、現在もそれぞれの特性に応じた役割を担っているが、各港湾の周辺地域の産業特性とその動向、港湾整備や東九州自動車道などの道路整備の進展に対応した適切な役割分担を図り、宮崎県全体として最適な港湾機能を整備していく必要がある。特に、油津港におけるRORO船航路開設に伴い、細島港、宮崎港を含めた貨物流動の変化を見極めつつ、適切な役割分担のあり方を検討する必要がある。

また、現在でも近接する大分県や鹿児島県との間では、貨物の発着地と利用港湾が県境を挟んで交錯する場合もあるが、今後は大分港、別府港、志布志港など近隣港湾と競争するばかりでなく、運航スケジュールを調整して複数の港湾が全体として多様な輸送ニーズに対応できるようにするなど、相互補完的な連携により相乗効果を創出していくことも検討すべきである。

 

11]広域道路網および港湾アクセス道路の整備促進

宮崎県内および近隣各県から宮崎県の港湾までの所要時間を短縮するとともに、定時性を向上させ、宮崎県の港湾における海上輸送の利用圏域の拡大を図るため、高規格幹線道路網など広域的な道路網や、広域道路網や物流拠点施設と港湾を結ぶアクセス道路の整備を促進する必要がある。

ただし、高規格幹線道路網の整備は北部九州や大都市圏への陸送による所要時間も短縮させることから、北部九州への物流拠点の集約化や、大都市圏との輸送における陸送の優位性向上にも留意が必要である。

 

12]官民一体となった取り組み体制の構築

これまでに述べた課題を解決していくためには、行政(地方公共団体、国機関等)・民間(物流事業者、荷主企業等)の関係者が一体となった取り組みを行っていく必要がある。宮崎県においては、1999年に県・市・金融機関・関係団体・船社・港湾運送事業者・荷主企業等の幅広い参加を得て、「宮崎県港湾セミナー」を実施した。

このような官民一体となった取り組み体制を今後もさらに強化し、物流効率化に向けた課題解決に着実に取り組んでいくことが求められる。

 

 

 

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