日本財団 図書館


・一方、食料品や日用品の場合、メーカーの配送は卸売業者までであり、各県レベルで卸売業者が一定のストックを持ち、そこから各小売店舗に配送する。小売店側でもチェーン展開するスーパー等は自社物流拠点を持ち、各店舗への配送を自社で行う。

・業界により受注・配送時間は異なるが、概ね前日昼頃に受注を締め切り、夕方にピッキング作業を終了・発送完了し、翌日午前中もしくは翌日中に配送となっている。

・近年、家電メーカー同士での二次配送の共同化を進めており、一部を除く大手各社が参加している。なお、ターミナルまでの一次配送は各社毎に行う。また、加工食品メーカー各社の物流拠点を集荷して回るクロスドッキング型の共同配送を4〜5年前から本格的に実施している。

 

4]物流拠点を経由しない商品の配送

・上記のように物流拠点を経由する商品のほか、工場から直接小売店に納入される直送品もあり、例えばある食料品メーカーではその比率が全体の半数強を占めている。

・医薬品の場合、九州に保管機能を持つ物流拠点を持たないメーカーが多いため、関西の各メーカーから午前中に集荷をして大阪を14時頃に出発し、福岡に21時頃到着、そこで中継して23時頃宮崎等に向けて出発し、当地に翌朝着く形態となっている。

 

5]宮崎県における海上輸送活用の可能性と条件

・あるトラック事業者の場合、福岡〜大阪間においては、労働基準法遵守のため、少なくとも片道はフェリーを利用している。

・関西から宮崎向けの建材輸送においては、福岡にストックしていたが、現在は直送となったため、宮崎へのフェリーによる無人航送が可能となった。ただし、フェリーは宮崎港着が8:30なので、宮崎市周辺しか午前中配送に対応できず、その他については陸送にシフトしており、フェリー利用は縮小傾向にある。

・書籍・雑誌の輸送においては、所要日数短縮(4日目発売→3日目発売)のため、フェリーの利用は縮小の方向にある。ただし、高速フェリー(TSL)等の開発の話が実現すれば海上輸送拡大の可能性もある。

・チェーン展開するスーパーや加工食品工場など、1社で1カ所に直送できるような大型顧客がいれば、工場から直送化し、海上輸送を活用する可能性が出てくる。

・南九州(宮崎・鹿児島)における保管・中継のための物流拠点確保を検討している物流事業者もあり、直送化の動きの中で海上輸送利用の可能性はある。その際、高速道路の整備により南北2拠点で九州全体を2時間圏でカバーできることが望ましい。ただし、現状では福岡方面との輸送が中心となるため、帰り荷がないことがネックである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION