日本財団 図書館


5]中国航路拡充に向けた船社への働きかけ

既存の中国航路は、月2回の寄港であり、長崎→上海の輸出時のリードタイムも長いため、荷主からみた利便性が低いことが利用の促進されない要因の1つと考えられる。

現行航路は1ループの所要日数の関係から、そのままでは運航頻度の増加が困難であるため、新規の船社誘致も含めて航路拡充について検討し、船社側に対する働きかけを行っていくことが必要と考えられる。その際には、船社の集荷意欲を促進するため、航路開設当初の段階から積み荷保証的な条件を設定しないことが望ましい。

【想定実施主体:長崎県、長崎港活性化センター、船社代理店 等】

 

(4) 貿易促進施策

1]上海事務所等を活用した情報収集・発信

アンケート調査においては、回答した荷主企業の約1/4が「インターネット等による海外貿易関連情報の提供」に対する期待を示した。長崎県貿易協会が上海事務所を設置していることから、情報コンテンツとして国内だけでなく上海を中心とした中国の情報も発信できることを強みとし、収集した現地情報をインターネット等を通じて長崎港周辺の貿易業者に提供する。同時に、同事務所の中国側に対する情報発信機能を強化し、長崎港周辺の貿易業者等の情報を中国側企業に提供し、国際経済交流の促進を図る。

【想定実施主体:長崎県、長崎県貿易協会、長崎港活性化センター 等】

 

2]見本市・商談会の開催、ビジネス・マッチングの実施

アンケート調査結果では、「見本市・商談会の実施」「海外の企業との個別需給のマッチング」についても、それぞれ2割以上の荷主企業から期待が示された。こうしたニーズを踏まえ、中国等からの輸入品の見本市や商談会を開催し、長崎港周辺の貿易業者の購買活動を支援するとともに、国際経済交流を促進し、長崎港における輸出入貨物の拡大に資する。なお、その際には、長崎県(中国・福建省および上海市)・長崎市(中国福建省・福州市等)の姉妹都市交流をベースとすることが想定される。

【想定実施主体:長崎県、長崎県貿易協会、長崎港活性化センター、JETRO 等】

 

3]常設展示場の設置、仮設店舗の提供

中国航路の寄港地である上海や福建省を主な対象とし、長崎港周辺の貿易業者が貿易相手地域側の企業や商品についての情報を得る機会として、長崎港周辺に常設展示場を設置し、商品の展示や企業情報の閲覧等を行う。また、中国側の企業が一定期間長崎港周辺で営業活動を展開できるよう、展示場に併設して仮設店舗を設置し、貸与を行う。現在長崎市に日本で唯一の常設保税展示場が「孔子廟」内に設置されており、その展示対象は展示期間終了後に中国へ返送する文化財等であるが、こうした実績を一般の貿易品の取り扱いにも活用していく。また、展示場や仮設店舗等の設置にあたっては、「ナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想」と連携して進めることとする。

【想定実施主体:長崎県、長崎市、長崎港活性化センター 等】

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION