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1]船の速力を変化させた場合の所要時間の変化

まず、従来の長崎上海フェリーの航路距離(743.5km)に対して、上記4ケースの所要時間の変化について検討する。

実際の所要時間は、巡航速度での走行時間、入出港に要する時間、気象・海象条件等を考慮した余裕時間等が含まれ、上記の航海速力の設定のみでは正確な算出が困難である。そこで、ここでは、便宜的に以下の2パターンにより算出する。

■パターンA:航海速力とダイヤ上の平均速度の比率を一定とする方法

・従来の長崎上海フェリーの所要時間をみると、往路(長崎→上海)は29時間、復路(上海→長崎)は28時間である。ここで復路の平均速度をみると14.3ノットと算出され、これは、投入船舶の航海速力(22.3ノット)の76%となる。

・そこで、各ケースにおいてダイヤ上の復路の平均速度を航海速力の76%として所要時間を算出する。また、往路の所要時間は、復路+1時間とする。

■パターンB:航海速力とダイヤ上の平均速度との差を一定とする方法

・従来の長崎上海フェリーが航海速力で長崎〜上海間を航行した場合の所要時間を単純計算すると18時間と算出されるのに対し、実際のダイヤ上の所要時間は往路29時間、復路28時間であり、往路で11時間、復路で10時間の差がある。

・ここでは、この差を一定とし、往路の所要時間は、各ケースの投入船舶が航海速力で航行した場合の所要時間+11時間、復路は+10時間とする。

 

表4-2-1 長崎上海フェリーの所要時間等

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上記のパターンA、パターンBに従って各ケースの所要時間を算出すると表4-2-2のようになる。実際の所要時間はパターンA、パターンBの昼間となると考えられるが、ここではパターンAを中心に検討することとする。

 

 

 

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