2]長崎港におけるコンテナ輸送体系上の課題
長崎港におけるコンテナ輸送体系の実現に向けた課題として、次の各点を抽出した。
1) ベースカーゴの確保
・電気機器(長崎県で生産される輸出コンテナ貨物の1/2)・一般機械(同1/4)
・国際分業の促進(電気機器や衣料品にみられる原材料・部品・製品等の輸出入)
・貿易業者の育成・集積促進(長崎県に直接輸入される貨物の拡大)
・水産品(長崎港で水揚げされる水産品の流通ルートを活用した輸出入拡大)
・長崎港の独自性を発揮できる新たな戦略品目 等
2) トランシップを利用した輸送サービスの提供
3) 港湾利用コストの低廉化
4) 港湾サービスの充実
5) アクセス道路の整備
6) 官民一体となった取り組み体制の構築
7) 周辺港湾との連携
8) 相手地域との連携
9) 九州全体における効率化との調和
(2) 本年度調査の方向
本年度調査では、(1)で示した航路展開の方向性および課題に基づき、特に重要と考えられるベースカーゴの確保について、その明確化を行うとともに、参考となる取り組みについて事例研究を実施した上で、長崎港の利用促進と効率的な輸送体系の実現に向けた課題解決の方策の検討を行い、荷主企業・海貨業者等の意向によってこれを検証した上で、各関係者に向けた提言として取りまとめる。