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プロジェクトにおけるリーダーシップ

 

最終的に、あなたのグループは作業の質によって評価されます。よい作業ができるかどうかはグループ全体の問題ですが、直接の責任はプロジェクト・リーダーにかかっています。

 

どのプロジェクトにも、リーダーが必要です。グループの結成当初は、リーダー役はコーディネーターが務めるかもしれませんが、時間が経つにつれて、他の人がリーダー役を務めるようになるでしょう。プロジェクトリーダーは、当日の作業が始まる前から、現場でのプロジェクト運営にかかわる全ての局面について責任を負い、また、作業後には完了した作業が満足のいくものでなければなりません。プロジェクトにおけるリーダーシップ自体が技術であり、BTCVの「プロジェクト・リーダーシップ―地域グループのための独学ガイド(Projet Leadership-a self help guide for local groups)」は、リーダー役を担う人には必読の書です。BTCVはまた「プロジェクト・リーダーのポケット・チェックリスト(Project leaders' pocket checklist)」を出版しています。同書はポケットに収まるサイズで、プロジェクトにおいてリーダーシップを発揮する際に、念頭においておかねばならない主要な項目をリストアップしています。

 

事前に入念な計画を立てておけば、当日における参加者それぞれの作業の生産性は一層高まります。プロジェクト・リーダーは見本を示すことで、リーダーシップを取らなければなりませんが、作業に熱中しすぎるのでなく、作業現場の全体を見て廻らなければなりません。

 

<作業開始前>

 

作業と作業現場の安全面を点検しましょう。(詳細については、「健康と安全」の章を参照)必ず作業内容や作業現場について熟知し、作業に適合した道具が準備できるようにしなければなりません。参加ボランティアについては、特に、誰が新人ボランティアなのか、また、トレーニングのアシスタント役を頼めるような、経験を積んだボランティアがいるかどうかを調べます。必ず救急箱を準備して、目立つ場所に置くようにします。また、必ず緊急時に直ちに現場を発てる場所に自動車を駐車します。あなた以外に、道具や安全に関して説明できる人が現場にいて、説明する心構えができているか確認します。最後に、必ず現場には飲み物と簡易コンロを持参します。

 

サットン環境保全ボランティアズ(Sutton Conservation Volunteers)は、道具出し入れシートという、とても便利なシートを用意しています。このシートのお陰で、リーダーやや道具係は使用中の道具を簡単に記録できます。

 

新しい現場での作業初日の場合、作業現場を巡回する時間を確保して、写真を撮影します。こうして写真を撮っておけば、プロジェクトの作業前と終了後の写真を比較できます。

 

<作業の実施中>

 

安全面

 

道具や安全面に関する説明を必ず行います。一つの現場内で、刃の鋭い道具を使用する人が、恐らく12人くらいおり、道具を振り回す人がいる可能性もあります。たとえ道具の説明が終わったばかりでも、必ず作業内容を理解してもらい、時間をとって危険な道具の使用法を改めて説明します。安全面を考慮して、隣りで作業する人との間隔は、片腕を伸ばした距離に道具2つ分の長さを加えた距離を保つようにします。木を切り倒す場合には、最低でも木の高さの2本分の距離内に、作業している人がいないようにします。

 

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安全に作業できる距離を保つように。

 

 

 

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