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主な社会的問題を見過ごさないことが大切で、トレーニングの提供者は、常にこの点を十分に気に留めておかねばなりません。もし持続可能な開発の達成が真のゴールであるならば、生活の質を高めるための人々への支援と同じく、環境の保護に対しても考慮されるべきです。BTCVは社会のあらゆる階層の人々を引き付けるように努める一方で、地域グループに対しても、同じように努力するよう奨励しています。身体障害者が自然環境に容易に接することができるようにすることは、私たちの活動の重要な業務の一つで、BTCVは障害をもつ人々にも、環境改善のための活動に直接参加できるよう、機会を提供できます。

 

たとえ限界があっても、以上が直接的な恩恵です。さらに重要なのは、どうすれば環境保全グループは、他の活動グループと社会的問題の解決のために、相互に影響し合うことができるのかということでしょう。都市における生活の質を向上させる一つの方法は、都心部のコミュニティーグループと活動する機会を懸命に探すことかもしれません。地元のボランティアサービス協議会(Council for Voluntary Service)や、北アイルランド・ボランティア・アクション協議会(Northern Ireland Council for Voluntary Action)への働きかけを検討したり、地元の組織と合同で新しいプロジェクトをつくれないかどうか話し合いましょう。

 

さびれた地区の放棄された土地にある、見向きもされない場所の改善に取り組んでも、自然の荒野(moors)での活動ほど魅力的に聞こえないかもしれませんが、このような活動は人々がよりよい生活を送る上で大きな助けになるはずです。

 

以上に述べたことは、全て注意深く検討しなければならず、トレーニングも恐らく必要になるでしょう。しかし、潜在的な効果は測りしれません。上記のような場面や地区で、あなたのグループが活動を展開できる方法について、地元のBTCV職員や地元のボランティアサービス協議会(Council for Voluntary Service)に問い合わせましょう。

 

ポンデローサ環境グループ(Ponderosa Environmental Group)は、放置された15エーカーの空き地の開墾に成功しました。初めは、この空き地がゴミ捨て場として利用されていると地元住人から懸念が生じました。しかし、ボランティアの努力とBTCVのアドバイスによって、このプロジェクトは予想以上の成功を収めました。現場はきれいになったばかりでなく、現在では自生のアメニティー草地や野生生物の生息地となっています。地元の生徒が1400本以上の木を植え、また、かつては目障りなものでしかなかった現場は、地域コミュニティーの市民農園となっています。

 

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自然環境へのアクセスを改善する。

 

 

 

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