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障害者

 

ほとんど全ての人が、環境保全活動に参加できるはずです。中には何らかの障害をもつ人に対して、どうにかして特別に配慮しているグループもあります。しかし、何度か一緒に活動するとその努力が報われることを知ります。コーディネーターの一人は脳性小児マヒを患っている少女について、「彼女が努力して活動に協力することを誇りに思う」と語りました。

 

規模の大きいグループは、均等な機会というポリシーを掲げたがるかもしれませんが、参加しやすいことこそが、そのポリシーの中心として据えられるべきです。あなたのグループの大きさがどうであれ、できるだけ活動に参加しやすい形態になっていなければ話しになりません。

 

このような取り組みを始める最も簡単な方法は、プログラムにある全てのプロジェクトの横に車椅子のシンボル(これは「誰でも参加できる(accessible)」ことを意味し、国際的に認知されています。)をつけることです。現場へ来るのがそれ程容易でなければ、プログラムの下に、参加に困難を要する人は事前に連絡を取るようにお願いする文章を付け加えましょう。はっきり明示されていた方が、本人は喜ぶでしょう。

 

クンブラン田園チーム(Cwmbran Countryside Team)には、多くの学習不能症のボランティアが参加しています。このグループは、雑木林管理、木道の建設、アナグマの巣穴の補強など広範囲にわたるプロジェクトを行っています。障害をもつ参加者により開設された回遊歩道に対して、エッソ・コミュニティー歩道賞(Esso Community Footpath Award)が授けられ、彼らの卓越した作業水準が証明されました。

 

他にも、聴覚や視力障害者の参加に対応しているグループがありますが、障害をもつ人は時間やエネルギーを環境保全活動に費やすことを熱望しているようです。そのようなグループと活動している組織に協力を求められたら、その組織に対して何ができるのか、どんな便宜を図る必要があるのかを必ず話し合って、双方が了承しなければなりません。何か問題があったら、問題を事前に解決することが大切です。そのような組織と話し合って、可能な場合には要求に応じられるようにする必要があります。

 

障害者の参加申込みがあった場合には、プロジェクト、できること、できないこと、必要とされる特別な準備について本人と話し合いましょう。

 

外部のグループ

 

多くのグループには、時として他の団体のメンバーと一緒に活動する機会があります。これはボランティアを増やす貴重な機会ですが、入念な準備が必要です。どちらのグループにも、それぞれコーディネーターがいなければなりません。そうすれば、相手のグループの要求を事前に話し合うことができるからです。

 

冒険スカウト(Venture Scouts)や、農業青年クラブ(Young Farmers Clubs)のように、グループの中には自分達の活動に対して明確な理念を持ち、少しのトレーニングで大きな役割を果たしているものもあります。その一方で、かなり多くのサポートと指導を要するグループもあります。グループと作業の内容をうまく対応させる必要があるので、事前連絡がとても重要です。自分達が何をしているのかはっきり分かっていない人達のグループの面倒をみるために、あなたは終日費やしたいとは思わないでしょう。外部のメンバーがリラックスできず、参加している感じがしない場合には、往々にして、その場にいたいとは思っていないのです。

 

外部のグループに参加してもらう方法の一つは、特定の作業プロジェクトを用意し、作業についての解説とともに、2〜3人の経験を積んだボランティア・リーダーが指導することです。たくさんの作業を要する規模の大きなプロジェクトの場合には、ある部分を担当するこのような作業チームは大変有効でしょう。

 

北アイルランドの、草の根環境保全隊(Grass Roots Conservation Corps)は、長年にわたりエディンバラ侯助成機構(the Duku of Edinburgh Award Scheme)の少年達と一緒に活動しているグループの一つです。このエディンバラ侯助成機構は、熱心なボランティアをグループに継続的に調達しています。

 

 

 

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